第7章第3節 戦:第1款 始まり
三つ子は、育ち、15となった。
長男であるスワキサルザは、村長を慕い、常にどこに行くにも共に歩いている。
次男であるジルサンデルは、長男を慕い、その一挙手一投足を見ている。
三男であるイカムルードは、村の相談役を慕い、占術を教えてもらい、今では神官として活躍をはじめようとしている。
スワキサルザが、イカムルードに聞いた。
「これから、この世界はどのように動いていくのであろうか」
イカムルードは、
「大混乱が起きるだろう。この平原は、血で染まるだろう。だが、長くは続かない」
ジルサンデルは、
「それは、戦が起きるということか」
イカムルードは、
「そうだ。大戦争だろう。だが、我々は、敵に打ち勝ち、巨大化する」
スワキサルザは、
「これから、我々は大きくなるだろう。そのための第一歩となるであろう」
そのへ村長が現れた。
村長は、
「争いは、できる限り避けなければならない。だが、避けられない戦いというのもある」
イカムルードは、
「ならば、争わなければならないであろう。神へと供え物をして、必勝を祈願しなければならない」
村長は、
「神へは、イカムルードが話し合え。相談役は、その補助をせよ。神が我らについてくださるのであれば、我らはその威光によって、必ずや勝利をつかめるだろう」