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食い散らされて

作者: 黒楓

お馴染みの月曜真っ黒シリーズです!!

 高校で初めて同じクラスになった時、私達三人は悪友だった。


 でも卒業する時は“ドキドキ旅行”を三人で催行した。

 でも、()()()()()()()()()

 少なくとも私には“よもやと言うチャンス”があったのに……


 今から考えると三人が三人とも牽制し合って、さぞかし“イタイ”三人組だったのだろう。


 でも私達が同じ景色を見たのはここまで


 萌は保育福祉専門学校を出て保育士へ


 優香は短大卒業後、栄養士として企業の社員食堂に勤務


 そして私、美咲は女子大(四大)を卒業後、メーカーへ総合職として就職した。


 先に社会人となった二人とはすっかり疎遠になっていたのだが、私も社会人3年目となり、

 それなりに体裁が整う様になった昨今、彼女達とまた交流するようになった。


 きっかけは、高校の時からそのままなっていたグループライン。


 何年も“開店休業”だったのが3年前、つまり私が就職する前後あたりから、このグループラインで優香と萌がやり取りする様になった。


 その内容は二人のごく些末な事で……なぜ()()()でやり取りしないのか『?』だったのだが、忘れた頃にまた書き込みがあるので、とうとう私も混ざり始めた。


 で、この回数が徐々に増えて来て、グループラインで会う日取りの打ち合わせが始まり、私達の付き合いは復活した。


 今は違う職場の三人が昔のよしみで集まり、他愛のない話をする……私自身としては、就職してからの色々なストレスの解消の場となり、とても有難かった。

 しかし、“三人女子会”に“飲み”が入って来るようになると……様子が変わった。


 私は本来、お酒は強い方なので多少飲んでも変わらないのだが、優香と萌はお酒が入って“明け透け”になって来ると……二人が率先して繰り広げる話題は専ら色恋……それも()()がらみで……ただの“耳年増”に過ぎない私はその都度、心の中で冷や汗をかいた。

 そんな“恥ずかしさ”が顔の色に出てしまっていた様で、二人には『私は酒に弱い』と思われているらしい。

 こんな事が続く様なら「私はお酒が苦手だから」との口実で“女子会”の参加は見合わせようと考えていた矢先、優香から「今度の週末は三連休だし、土曜日は少し遠出をしよう!私がクルマ出すから」との“お誘い”があった。

「クルマの日帰りなら、お酒を飲む事は無いだろう」と、今回は参加する事にした。



 --------------------------------------------------------------------


「ダムの上に鯉のぼりが泳ぐのが見えるのよ」と連れられたのはとんでもなく長い吊り橋で、みんなで絶叫マシンさながらにキャアキャア叫んだのだが、私は吊り橋が揺れるたびに本当に膝がガクガクして鯉のぼりを見るどころの騒ぎでは無く、無我夢中でクルマまで辿り着いた感じだった。


「さあ!絶叫観光の後はパーティーやるよ!」とクルマが向かったのは何とも小洒落たラブホで……ここで女子会をすると言う!!


「ええ!!??」と叫んだが、今更どうする事もできず、二人に両脇を抱えられ中へ連れ込まれた。


 部屋に入ると備え付けの冷蔵庫から取り出されたビールを手渡され、クルマを運転して来た優香の音頭でカンパイ!したのだが、ワインに替えてからの私はどうもいつもと調子が違う……


『私はこのくらいでは酔わない筈!しっかりしなきゃ!』との心の声とは裏腹に優香の“エチ”ジョークにケタケタ笑う自分がいる……

 でも、それは仕方が無いんだ……萌が変なとこ擽る(くすぐる)から……


「アララ、美咲ちゃんはおネムかなぁ~? センセイがお布団へ連れて行ってあげますねー」なんて()()()()萌の手を振りほどいて

「お腹すいたーっ!!」と叫んだ先から膝が崩れて


「大丈夫ですよぉ~ケータリングのお兄ーさんが()()()持って来てくれますからね~ でもその前に、汚れちゃいけないから お洋服ぬぎましようね~!」との言葉にもされるがままだった。



 --------------------------------------------------------------------


 結局、丸一日以上ラブホに居て……萌は優香のクルマに、私は名前もハッキリしないオトコの車に乗せられた。


 私は……もうずっと正誤の判断が“やみくも”になってる。


 今もしっかり立つ事ができず、グラグラ揺れるのお盆の上で……傾けられた方向へゴロロと転がるビー玉みたいだ。


 そして外に転げ出そうになるとグイっ!と引き戻される感じで……


「大丈夫! 明日も休みだから オレが慣らしてやるよ! 優香や萌みたいにな!」


 信号で止まる度に下卑た笑いで囁き、私を弄ってくるこのオトコの手を払い除ける事もせずに……私はただ、ぼんやりとオトコを眺めていた。




                 おしまい







毎度、お叱りをいただきそうな内容で申し訳ございません<m(__)m>


それでも



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― 新着の感想 ―
[良い点] かなぁ〜りイヤンなリアリティ 女同士の妬み、嫉妬、マウント取り…………エグいですねー  (*。*; 萌と優香の、“イザ”という時にはヒガイシャポジをキープ出来る(もしかしたら無自覚な…
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