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紫陽花の願った空。

作者: パン大好き

紫陽花は朝日に照らされて静かにうつむいていた。


彼女は真白な花弁を持つ美しい花だった。

ある日、彼女を眺める男性が現れたことで世界はがらりと変わることになる。


男性は彼女の姿を見つけてから毎日、彼女が美しく成長する様子を眺めていた。

男性が彼女のことを見続けるうちに彼女の花弁に青い色が混じっていくのを見つけた。


日を重ねるにつれ美しい青が増してゆく紫陽花。

男性はその美しさに魅了され、自分のものにしたいと願うようになった。


ある日、男性は紫陽花の中に一枚の赤い花弁を見るけることになる。

そして、その紫陽花に話しかけている若い女性がいることにも。


紫陽花は日を追うにつれ、青と赤が混じるようになる。

真白なドレスが青と赤に染めあげられてゆく。


若い女性もまた、男性が紫陽花に話しかけていることに気が付いてしまった。

紫陽花の花弁の中に美しい紫色が生まれるのは、そう時間のかかることではなかった。


紫陽花は、もううつむかない。

身を寄せ合った青と赤が織りなす、美しくもあたたかな紫色の花弁。

彩りが増すたびに、空へと背を伸ばす自身の姿にむしろ驚きすら感じていた。


そしてある梅雨時の早朝、紫陽花は心から願いを込める。

しっとりした空気を含む空には、きっと小さくて大きな魔法がかけられたのだろう。


一面に広がる紫色の空。

その美しさを見た若い男女はどちらからともなく紫陽花が願った空であることを知った。


そしてもう一度、優しい眠りについた。


みなさま久しぶりすぎて、すみません。3年間、絵の修行をしていました。自身の表現に足りないものを補うために。この作品をベースに新しい表現を模索していきます。よろしくお願いいたします。パン大好き

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