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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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姉妹レシピ

 あたしの前に立って、伏すくれている女の子の相手をしている場合ではない。この顔が、数年後にはスタイル抜群の悪役令嬢になるとは思えない。その立場は、あたしなのだけれど。双子なんだし、将来はすごい美人さんになはずで。

 其れが、今はと言うと、物わかりの悪い餓鬼だ。最もまだ小学生なので、其れも仕方が無いのかも知れないけれど。このままだと、あたしの代わりに悪役令嬢になってしまうのじゃないだろうか。シナリオ通りの事件は起こさないかも知れないけれど。絵面的には同じになるしね。しかも、あたしはこの子の影武者みたいな立ち位置になってしまっているし。フラグの復活なんて事になるかも知れない。

 あたしは考え違いをしていたのかな。マリア・ド・デニム伯爵令嬢を助ければ、悪いフラグをごっそり折れると考えていた。あたしは、悪役令嬢には成らないのだから、隣国の侵略戦争を誘発する事は無いと思っていた。

 つまり悪役令嬢(偽)では無く、悪役令嬢(真)が戦争を引き起こしてしまうって事になる。どうしよう。

「とにかく今は、この水をどうにかしなければ行けない訳で。貴方にも協力して欲しいのよ。文句は後でいくらでも聞くから、ね」

 とにかくこの子にその気になって貰わないと、スムーズに動いて行かないだろう。あたしの号令よりは、名目上ではあるけれど一番立場が上なのだから。本当は、伯爵夫人の方が来てくれていれば、簡単に事が運ぶのに。あの人は、領都の一件を片付けなければならないので、後からくるそうだけれど、その頃までにはあふれてくる水をどうにかしておきたかった。

 あたしは、マリア・ド・デニム伯爵令嬢の瞳を覗き込みながら言った。不敬なんて言われないか内心どきどきしながら。

 これからすることは簡単である。領都から持ってきた、麻袋に土をつめて、流されてしまっている堤防に、並べて水が流れ出すのを止める。其れが出来れば、少し筒でも水が引いてくるはずで。そうなれば、復旧作業も早くなってくる。

 そして、未だに教会に、置きっ放しになっている、亡骸を埋葬する余裕が出来るだろう。出ないと辛すぎる。

 他の皆は、この作業については理解してくれていると思う。この子の号令があれば動き出せる。一番の長が十二歳の餓鬼だって事が問題なんだよね。



読んでくれて折りが塔ございます。


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