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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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圧迫面接件食事会 2

 部屋の中は、暖炉に灯が灯っており。そして、手元を照らすのは植物油を使ったランプの灯りだ。庶民の照明としては、動物所以の油を使うから、断然質の高い明るさだ。だって、臭くないんだよ。食事するにも、適した灯りだと思うんだ。

 この辺りは仕方が無いことだと思う。だって、此所は戦うための施設で、あくまでも一地方でしか無い場所なのだから。

 あたしに取っては、別の不便を感じるような暗さではない。これだけ明るければ、十分書き物が出来る。

 窓の外には、良い感じに月明かりがあって、砦にしては珍しく、ガラス製の窓に成っているから、室内に外の明りも差し込んでくる。この砦の窓の殆どが、木戸になっているから、こう言ったガラスを使っているだけで、かなり上等な部屋だって判る。

 因みに、あたしがあてがわれた部屋の窓は、木戸になっていた。外の灯りを取り込もうと、思ったら外気の冷たい空気を覚悟しなければならない。そう言えば、あたしが部屋に入ったときには、暖炉に灯が灯っていたっけ。此所のメイドさんは、そんなところも確りしている。

 そんなことを考えながら、あたしは成るべくお淑やかに見えるように、にこやかに表情を作りながら、席に座る準備をする。そして、奥様がデニム子爵の優雅な誘いに答えて、座るのを待つ。下手に先に座ったら、其れだけで減点に成るかも知れない。

 あたしが部屋に入ると同時に、あたしの様子を監視していることを知っているから。此所の主は、あたしの事を疑って掛かっている。しかも、父ちゃんのことが嫌いだ。だって、彼の模擬戦の時、新兵なんて言いながら、何人も結構な腕前の兵隊さんを紛れ込ませていたみたいだから。

 だいたい、父ちゃんの腕を見たいなら、最初の一戦だけで良かったと思うのね。きっと此奴は、あたしの事が嫌いなんだと思う。

 今回の食事は、流石に奥様との食事に成るから。結構豪華な物に成った。たぶん普段食べている物よりは、良いんじゃ無いかなって思う。

 メイドさん達が、ワゴンに乗せてきたのは、前菜に成るのだろうか。春野菜の煮込み料理だ。この辺りは当然なのだけれど。香辛料の香りが、あたしの食欲を刺激してくる。

 偉いさんの食事にしては、質素な感じだ。この辺りは、庶民の食事とそんなに変わらない。基本的には、煮込み料理が殆どに成る。其処に、新鮮な野菜かそうで無いかの違いがあるだけだ。其れと、ふんだんに香辛料を使っているってところが違うかな。

 何しろ、香辛料はとてもお高い代物だから。ゲーム、さくらいろのきみに・・・で描かれていた、豪華な食事風景なんかは、きっとゲームの演出だったに違いない。

 だって、あんなにカラフルで、美味しそうな料理なんか並ぶわけがないのだから。王都のことは判らないけれど。如何したって、流通の関係で、其れほど食料が豊富にある訳も無いのだから。

 いつの間にか、給仕に付いてくれたメイドさんが、あたしのための深皿に煮込み料理を取り分けてくれる。因みに、深皿は銀製品だった。其処だけ豪華なんだ。

 其れと同時くらいに、矢っ張り銀のコップに三分の一くらいだろうか、ワインが注がれている。香りを嗅いだ感じ、結構上等なお酒だと思う。

 あたしの頬に、苦笑が浮かんでしまう。内心一寸嬉しかったりする。昔は、結構好きだったのよね。此所では、未成年にお酒を飲ませていけないなんて、決まりはないみたいだしね。

 


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