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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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初めてのお使い 10

 全体訓練が終わると、模擬戦を見せてくれる。獲物はそれぞれが得意とする武器の、刃の部分が木で作られた、いわば安全な獲物だ。だからと言って、間違えれば死人が出かねない危険な訓練には違いない。不抜けたことをしていると、怪我だけでは済まない。

 何しろ使っている防具は、革製の代物で、兜こそ鉄製の物だけれど。お互いに、真剣に遣らないと思わぬ怪我をしてしまう。本当のことを言えば、こんな事のために危険なことをして診せなくても良いのに。きっとマリアならそう言うだろうな。

 あたしは、女の身でこう言った危険な模擬戦に、付き合わされている。何しろ、長いこと父ちゃんに、扱かれていたから。慣れっこに成っちまっているからね。

 昔だって、結構喧嘩をしたことだって有る。その喧嘩だって、ナイフを持ってマジで殺しに来るような奴と、素手で遣り合ったこともある。その経験から、真剣に遣れば意外に怪我なんかしない物だ。ましてや、此所に何時連中は、其れこそ四六時中。こう言った訓練をしているのだから。

 昔読んだことのある、ラノベの主人公みたいに、刃を潰したの剣を使っているわけでも無し。あれよりは殺傷能力は低いと思う。あたしは、後で訓練なんだし。しないみたいな物を奥様に、提案してみようかと思う。こう言った棒を使うより、竹刀みたいな物の方が、怪我人が出ないと思う。

 なんと言っても、そう言った安全な物を使っても、兵隊さんの技量を上げることが出来るからだ。単なる練習で、怪我人を出していたら、練度を上げる前に、大事な国民を失うことに成るからね。

 だって、兵隊さんだって、この邦の人には違いない。其れを、単なる訓練で失うリスクをとることは無いんだから。何しろ、兵隊さんの数が多ければ多いほど、隣国の野蛮人から邦を守ることに直結すらから。一人でも、多く其れなりに強い人が必要だと思う。

 あたしだって、前世の世界の平和の中で、腐っていった女だけれど。此方に来て、長い間こっちで生活してきたから、其方の厳しさは知っている。少しでも防衛には、兵隊の数が必要だって判っているからね。もしかしたら、あたし達が隣の国より強いと成ったら、もしかしたらちょっかいを出してこないかも知れない。

 こんな事、マリアなら考えないのだけれど。今のあたしは考えてしまうのよね。何しろ、脳筋父ちゃんに育てられたから。

 この世界が、昔の世界のように、話し合いで事を済ませる考え方をしていないって、骨身にしみて知っているからね。この世界は、人の欲と暴力によって、成り立っている。

 何しろ、例えばコーツイや男性の挨拶の作法にだって、私は貴方に対して、害意がありませんよって、身体で示す意味があるのだから。因みに、この考え方は賢者様に教えられた物だ。統べては、きれい事では済ませられない。この事は前の世界においても、この意味合いは多かれ少なかれ有るそうだ。この知識は、蘇生法を教えてくれた先生が言っていたこと出もある。もしかすると、此れって何処でも同じ事なのかも知れない。それが、異世界だろうと現世出在ろうと、もしかして物事の真理だったらどうしよう。

 


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