変わり果てた故郷 6
ジョバンナを含めて、六人の子供がいる。このキャンプには八家族が避難しているみたいだ。この村に入る前に見えた様子からすると。20件の家屋が沼の中に有るように見えた。。そのうち、完全に潰れてしまってる家も、三件はあっただろうか。
勿論、収穫する前の畑のうち六割が水につかったままだ。まだ、運河から溢れ出している水が止まっていないのである。まずは運河の堤防を応急修理しなければいけない。その前に、あたしは気が進まないけれど、確認しなければ行けない事がある。
ニックの事だ。
「ねえ。ニックのこと解る?」
泣いているジョバンナが、泣き止むのを待って、あたしは尋ねた。あたしの周りに集まってきた子達は、ジョバンナにつられて泣き出してしまう。いくら泣いたからと言って、状況は変わらないのだけれど、泣かずにはいられながい。そう言う物なのだろうな。実はあたしももらい泣きみたいに成ってしまう。品等はニックの事がかなりにダメージに成っている。なんか心臓のあたりがスースーする。
「うん。知ってるよ。あのお兄ちゃんキャサリンおばさんの所に遊びに行って、家が壊れるのに巻き込まれたんですって。今は教会に死んじゃった人たちと一緒にいるよ」
ジョバンナが、あたしの目を覗き込みながら教えてくれる。あたしと、ニックが仲良かったことを知っているのだ。あいつがキャサリンおばさんの所に遊びに行っていたことも。
あたしは思う、何でよりによって嵐の夜に遊びに行っていたのだろう。危険を察知して避難することが出来なかったのか。あんなに抜け目のない奴が、こんな時に限って・・・。
「ニックに会いに行くね」
あたしは子供達からか抜け出すと、村の教会に向かう。この教会は流石に、水の危害からは免れていたけれど、がらんとした感じは少し不気味である。この教会の司祭様は、今は留守にしているのだろうか、全く人の気配がなかった。
小さな教会である。鍵の掛っていない両開きの扉を開けると、すぐに礼拝堂である。少し奥まったところには、一団高いところには、女神像が安置されている。豊穣の神様らしく、胸が強調されている。
その女神様の前に、五つの死体が並べられている。そのすべてにはシーツが乗せられており。既に腐敗臭が立ち上っている。ここにはドライアイスはない。
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