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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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朝食は固いパンと干し肉のスープは定番 7

 結局マリア・ド・デニム伯爵令嬢は、あたしの話を聞いてはいたけど、本当には理解しているようには見えなかった。それでも、一応は言うことを聴いてくれる気にはなったみたい。食事に対して文句を言いながらでも食べていたし、自分から何をしたら良いのか、実は名前のあった文官のおじさんに尋ねていたりしていたので、少しはあたしの苦労が報われたのかなと思う。

 ちなみに、あの文官のおじさんの名前は、ロジャー・タンドリン様だそうです。本当に文菅さんで、立場的には高級役人って言うことになるらしい。本当ならお屋敷で、金勘定を主にやっている人だと、メイドのロージーさんに聞いた。彼女はタンドリン様のことはあまり好きではないみたいである。

「あの人、平民を馬鹿にしてるし。すごくお金に細かいのよね。自分だって、貴族に人差し指が掛った程度なのに」

 だそうです。

 確かにその通りで、後何か一つでも功績を挙げれば、爵位を賜ることが出来るところまでには来ているらしかった。今回の事で、爵位を得られるようになることを期待しているかも知れない。其れもあって、あの食えない伯爵夫人が彼を人選したのだろう。短い面談ではあったけれども、あたしは食えない人だなと思った。

 それでもたまに母親みたいな顔をする事があるのには、中の人的には複雑な心境になる。ゲームの知識であるけれど、あの人は生まれたばかりの赤ん坊を捨てたのだ。もっとも、捨てるように命じたのはあの人ではなかったけれど、探しもしなかった。探せなかったのかも知れないけれど、だからといって理解が出来るかというと、あたしには無理かな。

 一回死んだので、前世に生きた時みたいに、親を毛嫌いすることはないけれど。赤ちゃんが山深い森の中に、着ぐるみだけで捨てられれば、どうなるかは馬鹿でも解ると思う。父ちゃんと母ちゃんが居てくれたからなのだ。でなければ獣の餌だ。

 何も事情を知らない、マリア・ド・デニム伯爵令嬢の事は、一応妹には違いないので、面倒見てやる事も吝かではないかな。時々可愛いし。其れが時々なのが問題かも知れないけれど。

 あたしは、契約書に書かれている以外のことはしないなんて、言いたいけれど言わないよ。たぶんあたしの方がお姉ちゃんだからね。


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