朝食は固いパンと干し肉のスープは定番 2
「貴方達、お嬢様が着る予定のワンピースを持ってきなさい。其れと、遊んでいないで仕事をこなしなさい」
ドリーさんは良く通る声で、兵士さん達と話していた、三人のメイド達に指示をする。彼女達は、気まずそうな顔をしながら、彼女達が乗っていた馬車の荷台から、水色のワンピースを取り出し、此方の馬車まで、運んでくる。迷う事も無かったので、初めから決められているのだろう。
貴族のご令嬢が着る物というと、ドレスをイメージするけれど、被災地に向かうのに豪華なドレスなんて着ていっても、私は何もしませんと宣言しているような物で、好感度を上げる手助けには成らない。綺麗なワンピースも活動しにくいことには変わりが無いけれど、ドレスよりはましだろう。
ちなみに、あたしが着ているメイド服は、良く出来ている。色は黒で、スカート丈は長いけれど、走り回るのにも邪魔に成らないように、作られている。しかも隠しポケットがいくつもあり。生地は丈夫な物を使っているので、安心してきていられる。後で試しに、弓を射てみようかとももう。あたしんちが無事なら、側にある弓の的も、無事だろうから、試してみようかと思う。
あたしんちはあまり高台では無かったはずなので、結構心配している。今は空き家に成っているとは言え、あそこには色々な思い出があるのだ。
「えっと、ドリーさんあたしは何をしたら宜しいのでしょうか?」
あたしは、意を決してメイド達に指示を出しまくる、ドリーさんに聞きに行く。こうしているのも辛いのだ。何かやっていた方が、気が楽になる。何なら、狩りに出かけても良い。それなら、メイド服でどれだけ動けるか試せるという物だ。
「貴方は、お嬢様について居てくれるだけで良いわ。正直メイドの仕事は、あなたにはむりでしょう」
あたしだって、朝食の準備ぐらいは出来る。だいたい、最近は食事を作るのは、あたしの役目になっていたので、それなりには作れる。今兵士さんの中で、食事の準備をしているのを見る限り。旅先では定番の、固いパンと干し肉のスープでしかない。此れは旨いまずいの範疇にはない代物だった。安全にお腹がふくれれば良い食事でしかない。
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