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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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だるい朝

「リコさん。起きなさい。そんなことでは、お嬢様のメイドは、勤まりませんよ」

 ドリーさんがあたしに声を掛けてくる。いつの間にか眠ったらしく、気持ちだけのシーツはどこかに行ってしまっている。何かあったときに備えて、普段着は着ているので問題なし。メイド服も楽なんだけど、其れを着たまま寝るのは、このドリーさんに止められたのです。

 身体がなんかだるい、よく考えたら、あたしはあんまり寝ていなかった。鼠狩りに付合った後、全く寝ないで、第二次救援部隊に加わったのだから、疲れていたとしても可笑しくないかな。いくら若いとは言っても、睡眠を取らないのは身体に悪い。

「あ、おはよう」

「おはようございますでしょう」

 あたしは重いまぶたを開けると、いつも道理の挨拶。でも、ドリーさんは納得のいかない表情で、修正してくる。

「おはようございます」

「はい。おはよう。あまり寝られていないのは、解るのだけど確りしてね」

 ちなみにドリーさんは、既にメイド服に着替えてしまっている。流石にまだすっぴんではあったけれど、二十代後半かも知れない。本当なら結婚していても可笑しくない年齢なのに、彼女はそんな感じは全く感じられない。どちらかというと、ドラマの中の出来る系のお姉さんみたいな感じ。結構な美人だと思うのだけど、その厳格な表情のせいで損してる。

 黒縁メガネを掛けたら、ものすごく似合いそう。ただ、男は近付いては来ないわね。だって怖いんですもの。ちなみにマリア・ド・デニム伯爵令嬢の声真似風。声も顔もそっくりなんだけれどもね。

 あたしと彼女は、少し日焼けしているかどうかで見分けることが出来ます。究極の影武者って処かな。

 ゲームで言う色変わりモンスター見たいにそっくりなのです。もっとも、良ーく見れば微妙なところが違うんだけど。この馬車に乗っている間に、マリア・ド・デニム伯爵令嬢の人となりも見えてきて、意外に悪い子で無いのは解った。そして、育ちは全く違うのに、似たような癖があるのにはびっくりしている。

  

読んでいただきありがとうございます。細切れ投稿になってしまいますが、よろしくお願いします。


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