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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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ナーラダ村へ

読んでくれてありがとう。

最近ようやく、ナーラダのリコが可愛くなってきました。


 結局第二救援隊の出発は、その日の午後になった。あたしが余計なことを進言したので、急遽荷馬車は5台も増やされ、向かう人間の数も三十人も増やされた。とにかく第一陣はすでに到着しているのだから、可能な限り必要な物を準備していく事になったのである。少なくとも、村の食料に、手を出さずに仕事が出来るくらいにはなったと思う。其れと、話し合いの中で、食料以外に小麦を入れるための麻袋を持って行くことも進言したので、荷馬車の家1台は麻袋が、満載されている。此れは、まだ手つかずになっているだろう、決壊した場所の応急処置のために必要だと思ったからだ。

 この国では、運河の堤防が決壊したなら、川の水位が下がってから、あたりの土と石で堤防を補修する。その工事は、あたしに言わせれば遅すぎる。とりあえず水がこれ以上、あふれ出さないようにしないと、いつまで経っても水が引いてくれないだろう。 

 で、あたしはなぜか、馬車の中の人となっている。この馬車に乗っているのは全部で六人。割と満員です。あたしはしかも、メイド服を着させられている。コスプレ以外の何物でも無い。最初はお嬢様の着ているドレスを着させられそうになったので、まだそれよりは良いかもしれないけれど、きっと村の衆にからかわれるに違いない。

 あんまり嬉しくはないが、此ればかりは仕方が無い。あたしにとっては、此れもお仕事と割り切るべき事なのだ。

 あの話し合いは、小一時間も掛った。隣に座っていた、ジョンって言う文官のおじさんが、うだうだと難癖を付けてきたから。時間を取った。その間に、メイドのドリーさんにおかわりの紅茶を入れて貰った。美味しかったから、別に良いかなとは思うけれど、文官のジョンは嫌いになった。頭固すぎ。

 その後も大変だった、伯爵夫人は自分の子供のドレスを、あたしに着せようとしたのだ。勿論、あたしは断った。あんな物着ていたら、身動きが出来なくなる上に、お腹が冷えて仕方が無い。貴族のご令嬢は、よくひらひららした上に、無防備な状態でいられると思う。ズボンの方が遙かにはいてて楽だし。

 ここの常識もそれなりには理解しているけれど、あたしは出来ればドレスなんかは着たくはない。と言うわけで、今はお仕着せのメイド服を、簡単に手直しした物を着ている。まだ、仮縫いの状態ではあるけど、メイドのドリーさんが、簡単に大きなメイド服を、あたしが着れるように直してくれた。

 彼女はまだ十八歳のメイドさんで、主にマリア・ド・デニム伯爵令嬢の身の回りの世話をしているらしい。裁縫もそれなりには得意で、自分の物は自分で作っているそうだ。

 ナーラダ村では、あたしがドレスを着ていたからと言って、だまされてはくれないだろう。あそこでは影武者にはなり得ないと思う。何しろ肌の色だって違うのだ。マリア・ド・デニム伯爵令嬢の肌は綺麗な白。此方は日焼けして、いわゆる小麦色なのである。後で何かと問題になるかと思うけど、気にしない。それに、ゲームのマリアは、健康的な白い肌色を誇っていた。しかもナイスボデイだった事をお伝えさせていただきます。今のあたしは日焼けしているだけで、貴族っぽい生活をすれば、良い感じになるとは思う。




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