余計なお世話 7
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視線を伯爵夫人にぴったりとひっついている、マリア・ド・デニム伯爵令嬢に向けると、まるで子供のような甘えた顔が其処にはあった。勿論彼女は、子供には違いないのだから、会えていたとしても仕方が無いのだけれど。あたしはなんだか気に入らない。理由は解らないのだけれど、胸のあたりがむかむかする。このあたりが悪役令嬢なのかも知れない。
「では、どのような物をどれだけ持って行くべきだと思いますか?」
「奥様、このような子供の言うことを真面に聞く必要はありません。世の中の理を知らない者の言うことなど、聞いたところで仕方が無いではありませんか」
隣の名も無き文官のおっさんがなんか言った。あたしの表情は硬く無っTかも知れない。
「少し黙って意見を聞きましょう」
伯爵夫人は、真顔になって、文菅さんに対して言った。そして、あたしには微笑みを向けてくる。
「ジャガイモや人参のような煮込み料理の方が、石窯が使えなくても食べることが出来ます。だから、そういった物や干し肉や簡単に食べることが出来る物を持って行くことを進めます。そして、量ですが、荷馬車一台分では足りません。小麦だけなんて、石窯小屋が使えなければ、村には村長に家に石窯しかないことになります。あれは、小さいので一度に家族で食べる分しか、焼くことが出来ないんですよ」
あたしは一気に話すと、前に置けれたカップのミルクティーを飲み干した。少し、冷めてしまっていたので、一気に飲み干すことが出来た。だいぶ緊張していたらしく、のどがからからに渇いていることに気がついた。
「そうね。地元のことですものね。貴方が最も知っていることには違いないでしょう。解りましたわ」
伯爵夫人はニコニコしながら言った。
「荷馬車は後3台増やして、持って行く物は、取り急ぎ用意できる物を持って行きなさい。日持ちのする物をなるべく用意するようにしましょう」
名も無き文官のおっさんに、彼女は告げた。
「しかし、奥様」
「出発の時間は、少し遅れるかも知れませんが、向こうで仕事が出来ないよりはましでしょう」
伯爵夫人は相変わらずひっついている、マリア・ド・デニム伯爵令嬢の栗色の頭をなでながら言った。