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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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余計なお世話 2

ブックマークありがとうございます。


 食料をのせた荷馬車に、乗っているのは袋に詰められた、小麦だけみたいで。他の物は何も乗せられていない。此れって、もしも石窯が被害を受けていたら、パンにはならない。村の様子が判らない以上、小麦だけでは困ることになるような気がする。

 あたしの知っている限り、石窯は二カ所にしかなかったはずで、そのうち一個は、村長の屋敷に有るので、無事かも知れないが。もう一個は、水車小屋の隣にあったはず。此れは被害を受けている可能性があった。ちなみに、村長の家の石窯は、村長一家が食べる程度の、パンしか焼くことが出来無いものだった。村の衆が全員食べることが出来る量を、焼くことが出来るとは思えない。

 あたしに言わせれば、食料を持って行くのは良いけど、小麦ではなく芋か焼いたパンを持って行った方が、ましだと思う。でないと行っても、何にもならないことになる。責任者出てこいと大きい声で言いたい。まあ、そんなこと言うと、あたしの立場が危うくなるけどね。

 普通に考えれば、アリス・ド・デニム伯爵夫人に相談すべきだろう。其れが最も手っ取り早いかも知れない。なんと言っても、領主側の最高責任者なのだから。ただ、名目上とは行っても、マリア・ド・デニム伯爵令嬢が、この第二救援隊の、指揮はあの子がすることになっている。今回の編成を実質遣っているのは、彼女の付き人を遣っている、中年の文官だった。

 あたしの直感が教えるところによると、その文官さんはどこぞの下級貴族の三男あたりで、あんまり賢そうには見えなかった。ぶっちゃけると、付合うの面倒くさそうだなーって感じ。伯爵夫人は今忙しいのは、よく判っているけど、あのオッちゃんを説得するより。雇い主を説得した方が簡単だろう。

 あたしは、早速伯爵夫人を探すことにする。トップダウンしてしまった方が早いだろう。出発してしまってからでは、かえって面倒なことになる。恐らく村では、パンを焼くことは出来ないだろうから。現地の人間に、迷惑になってしまう。

 ふと、第一次救援隊はどうしたのだろうかと考えたけれど、初動は命を守ることが先決になっていただろうから、主な活動は救助に限定されていただろう。それに、少しぐらい食べなくても問題にもならないだろう。まずは生きることが先決になるから。

 でも、此れからはそうはいかない。災害復旧の方が苦しくて辛いはずだから。

 もっとも、この領都でも同じ事が言えるかも知れない。火事で焼け出されて人たちにとっては、今こそが危機と言えるだろうから。ただ、ここの伯爵夫人は貴族にしてはましなのかも知れない。こんな事を考えている、あたしは、貴族をそんなに多くは知らないけれど。

 

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