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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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探偵の真似事 7

「これからどうなさるのですか」

 リントンさんが、あたしの歩く速度に合わせて、歩きながら尋ねてきた。結構あたしは、速く歩いているのだけれど。その歩む速度にも関わらず、まるで朝の食事を尋ねる執事のように、優雅で目が笑っている。

「彼奴らを保護するんだよ。マシュー君の話を聞く限り、裏に誰か居るだろう。これから暗くなると、森の怖さは倍増するだろうから、誰かに行かせることなんか出来ない。なら、あたしが探しに行った方がましだからね」

「それなら、私とその仲間達にお任せ下さい。当然のことですが、今の私も夜の森の中を、散歩することは不得手ではありません」

 あたしはそんなことを言ってくる、リントンさんの顔をまじまじと見詰めて、間違いの無いように否定の態度をしてみせる。今の処、この人は味方のような態度を取っているけれど、其れは本当のことか判らない。最悪、裏にいるのがリントンさんの可能性もあるのだから。

 あたしはこのリントンさんは、普通の執事だとは思っていない。いわば殺人許可証を持っている、何処かのスパイの頭領みたいな人だ。そのにこやかな顔の裏で、何を考えているか解った物では無いのだから。

「私だって、夜の森の中を散歩するのは好きよ。他聞、父ちゃんより旨く行動できると思うわ」

「でしょうね。彼奴はこんな幼い子供に、何て事を仕込んでくれたのでしょう」

と、リントンさんが呆れ返った様に呟く。

 もうマリアの振りを為なくても良さそうだ、これからはあたしの遣り方で行動させて貰う。先ずは乗ってきたオウルを、連れ出してこの領都をでる。それから、彼奴らの隠れ家に踏み込んで、連れて帰るだけだ。

「流石の奥様も、夜の森を単独で歩こうとはしませんでしたよ。常に我々二人を連れて行ってくれました。私たちも同行いたします。どうやら、単なる密猟事件では無いようですし」

 更に足を速めた、あたしに付いて来ながらそんな事を言っていた。あたしのオウルは、猟師ギルドの馬小屋に預けてあった。何時もの叔父さんが、気を利かせて馬小屋に入れておいてくれたのだ。何しろ、馬は大事な財産だから、あのどさくさに紛れて盗まれないとも限らなかったからだ。後で、何か旨い物でも届けておこう。

 リントンさんが乗ってきた馬も、その馬小屋に預けてあったらしく。仲良く並んで、草を食んでいる。何時リントンさんは、乗ってきた馬を預けたのだろう。そんな暇も様子も無かったはず。そう考えて、何時も連れてきている影みたいな若い衆にやらせたのだろう。何時もリントンさんは、下僕と呼んでいただろうか。

 何時ものように、オウルの首をなでてやると、気持ちの良さそうな声で事えてくれる。少しばかり嫌がっていたけれど、素直にあたしを乗せてくれる。出来れば夜の森になんか行きたくないよね。

 でも、リントンさんが彼奴らの居場所を知ってしまった以上。下僕に殺させる可能性も考えられるから、其れは止めないと行けない。少なくとも、あたしが居れば殺せはしないだろう。何しろ、今のあたしは弓持ち御嬢なのだから。






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