なんちゃって姫様は我慢出来ない 14
こう言う馬鹿な男は嫌いじゃ無い。あたしもついついお節介を為たくなってしまうじゃ無いか。此奴の奥さんは良い物件を引き当てたと思う。残念なことに、犯罪者に成ってしまったのが行けないなと思う。普通にしていれば、こんな事にはならなかったのに。大変惜しい。
考えてみると、マシュー君は何もしていなかった。出来なかったのかも知れないけれど。出来れば、他の二人の行動を止めてくれていれば、こんな厄介な事には成らなかったとお思う。
「処でマシュー君は今如何しているのかしら」
「このギルドの部屋で、少々きつめな取り調べをしていますよ。勿論拷問にまでは発展していませんが。何しろこんな事は初めてな事ですので、取り調べは会員の中で、其れなりに腕の立つ者に任せております」
と、ターラント男爵が応えてくれる。目の前にリントンさんが居るせいか、言葉遣いが慎重になっている。
本気で、あたしの事をマリアだと思っては居ないとは思うのだけれど。本気でリントンさんの事が怖いのだろう。
「他の人達は」
「密猟者達の家族については、側にある安宿の大部屋に居て貰う様にしております」
聞くのが遅すぎたかな。既に暴力的な取り調べが、始まってしまっている。この時代の人達に取っては、この程度の事は拷問には成らないのだろうけれど。あたしに言わせれば、十分拷問の範疇になる。
他の人達に対して、変な取り調べが為されていなかったので良かったと思う。あたしの脳裏には、確かお年寄りや子供も居たはずで。あの人達までが、この時代の取り調べを受けるなんて耐えられないと思うのだ。
まあ、猟師の常識として、同じ狩人仲間で無いと、森の中について知っている事も無いのだろうけれど。
所詮、猟師仲間に対する取り調べだ。殴って、吐かせ様としても上手くは行かないだろう。マシュー君の根性次第ではあるのだけれど、未だに動きが無いと言う事は、中々見所のあるみたいだ。父ちゃん相手にはどうだか解らないけれど。
これまでの騒ぎを見ていると、この国にはちゃんとした訓練を受けた警察官が必要だと思う。拷問なんか為なくても、被疑者から自供を取る事が出来る存在が居る。一応取り調べを受けた事の在る、あたしが言う事では無いのだけれど。因みに、犯罪者には成っていないからね。
「ねえ。彼と会って話が為たいのだけれど。リントンさんどう思います」
あたしは会議をしているより、動いた方が良い気がする。それに此所に居たら、いつまで経っても食事にありつけないような気がする。心の中で、メイド仲間に謝り倒す。帰ったら、心から謝らなければ行けない。
「其れは姫様のお心のままに」
実に楽しそうに、リントンさんが頷きながら応えた。未だに姫様扱いが続いている。この人は何を考えているのだろう。
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