なんちゃって姫様は我慢できない 8
今回の事件の発端は、在り来りな密猟事件だと思うのだけれど、其れがこんな事になるなんて思いもしなかった。禁猟区での猟は、罪になっているのは解っている。でも、それだけならギルドが咎めて終わりになる。
狩人達に、決まりを守らせる事で、会員の生活を守るのがギルドの役割で。本来なら、あたしがギルドにその報告を出した時点で、本人達に罰則を科して終わりになるはずだった。
勿論、あたしに対して矢を射るような事は、明らかな犯罪行為で。デニム家の関与することが望ましい。でも、あたしはギルドだけに報告を上げた。別に大した事でも無かったので、こんな大事にする積りも無かったからだ。
何しろ、あの三人組の方が酷い目に遭っていたのだし。でも、念のために他に犠牲者がいたら困るから、ギルドに調べて貰おうと思ったからである。単に、禁猟区の猟をしてしまう事は、平民の中では其程悪い事だとは感じていない。実際、彼奴らが攻撃をしてこなければ、口頭で注意をする程度で済ましただろう。あたしもそんなに悪い事だとは、思っていないのだから。
この世界に警察みたいな物があれば、そちらにお任せしていただろう。だって、その方が楽だから。でも、このマルーン地方には、警察みたいな物は存在していないのだ。だから、よりましと思われるギルドに報告したのに。自警団に情報が漏れていた。
冷静に考えてみると、もしかして大変な事なのか見知れない。だから、リントンさんが出て来たのかな。
「勿論です。幸い密猟者の内一人は確保できましたから、あの者に他の二人の居場所を吐かせて、一両日中には確保して、罰を受けさせます」
ターラント男爵は、眉間に皺を寄せてこれからのギルドとしての対応を言っていた。其れは当たり前すぎて、リントンさんの問題に為ている事では無いような気がする。密猟に対する罰は、其程重い物では無い。勿論、一人の女の子に対して、寄って集って矢を射たのだから、そちらの方が重いかも知れない。
只、其れもあたしは何処も怪我をしていないし。怪我をしているのは、犯人の方だ。ギルドとしても、こういった事は前代未聞な事なので、どう裁いたら良いのか迷って居るみたいである。
あたしとしては、別に怪我もしていないし、別に問題にもならなかった。反省して、罪を償ってくれれば良いかと思うのだ。
何故あたしに対して、攻撃してきたかについては気にはなるのだけれど。その辺りについて、知りたいとは思う。出来れば、父ちゃんが帰ってくる前に、彼奴らはこの街から逃げ出した方が良いかもしれない。
父ちゃんに捕まったら、痛いで済まないかも知れないのだから。だって、お尻を触っただけでも、腕を折られてしまうんだよ。どうなるか解った物じゃないよね。
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