なんちゃって姫様は我慢できない 7
結局食事処なんか在るわけも無く、あたし達は狩猟ギルドのターラント男爵の執務室に通された。ここって、食事をしながら話なんか出来ないと思う。だって、でかい机に椅子は一脚しか置いていないのだから。これって、昼食は食べないで、話し合おうって事なのかな。あたしのお腹の虫は、盛大に抗議を上げているのだけれど。
実際ギルドの職員は、周りにある居酒屋や屋台で、軽い食事を取るのが通例で、ギルド長は屋敷に戻って二時間かけて、食事を取っていたはずだ。軽食で良いから、喰わせて欲しい物だ。何だったら、屋台の物でも良い。
「さて、ターラント君は、どうやって治めるのかね。明らかな犯罪行為に対して、木賃と調べ上げて、報告をしてくれるのだろうね」
何時もの男爵の椅子に腰を下ろして、いきなり圧力を掛ける。因みに、否立っているのは男爵だけだ。何故か、あたしにだけは椅子が用意されている。
正直、あたしは身の置き所が無い。だいたい、こう言った大人の話し合いに、十三歳の平民のメイドが立ち会うなんて事は、在っては成らない事だと思う。未だにサーコートを纏っているあたしだけど、未成年者であるのだけれど。
「一寸待って下さい。いきなり話し合いを始められても困ります。私は、今回の当事者だけれど。解らない事の多い子供なんですよ」
あたしは逃げを打つ事にする。色々大変な事に成ってしまったけれど、責任を取る事の出来る立場にいないのだから。大人の話し合いに関わる事は出来ないと思うのだ。其れよりも早いところ、昼飯を食べたいのだけれど。
「その様な事は無いとお見受けしております。少なくとも、十三歳の御嬢様のそれよりは賢いところがあります。ですから、貴方は被害者としての意見を言っていただければ宜しいかと考えます」
リントンさんの言葉遣いは、マリアに対するときのように丁寧な物になっていた。因みに、彼の微笑みは本物みたいに見える。大した演技力だと思う。
いや、あたしは馬鹿ですから。前世でも、どうしようも無い不良で、どれだけの人に、迷惑を掛けたか知れないのだから。今回のことだって、馬鹿だから考えも無しに動き出して、こんな大事になってしまった。少しばかり後悔はあるのだけれど、他聞同じようなことがあれば、きっとやらかすと思う。
確かに、リントンさんに文句はあるのだけれど。ここでは文句を言うことが出来ない。何しろ、側にターラント男爵が立っているのだから。普段の彼には、思いも掛けないほど小さくなっている。
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