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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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なんちゃって姫様 20

読んでくれてありがとう。


「お、脅すつもりか」

 自警団の若い衆の中から、反撃の声が上がった。結構失礼な物言いであわかれてきていることがわかるる。悪役令嬢マリアなら、瞬殺する案件である。だけど、あたしは中の人が只の不良である。睨み付けるだけに留めてあげる。

 騒いでいた連中が、いきなり静かに成った。良い傾向である。やっぱりあの子は怖い人なのである。

「あの人は、他の貴族の中では恐れられているそうです。デニム家の黒い犬だとか。貴方達は、大人しくお家に帰る事をお勧めいたしますわ」

 あたしはそう言うと、辺りの面々の顔を眺める。反発をする人間と、冷静に現状を把握する人間に別れている事が、顔の表情から窺える。後一押しかも知れない。

 あたしは、なんちゃって団長を説得する事よりも、その他の団員を説得する事に決めていた。この集団の中で、一時的にもやる気を削ぐ事が出来れば、祭りを続ける事が出来なくなる。其れが、集団心理という奴だと聞いた事があった。

 皆の中の盛り上がりが、下火になれば。残っているのは、白々しいお題目でしか無い。其れのために、命を張って戦ったりはしない物だ。ましてや、明らかに勝ちの目が見えないのである。冷静になれば、家に帰って飯を食った方が何倍も良いって言うことに、皆気が付く物だ。

 隣に立っている、ターラント男爵が舌打ちを撃った。何かあたしの言った事で、気に入らない事があったのだろう。あたしは文句を言ってくるなと、思うけれど。今はそれどころでは無い。兎に角ここに居ることは、大変危険だと言うことを、皆に理解させなければいけない。

 実際祀り処の騒ぎでは無いのだから。何時、リントンさんが突撃命令を下すか知れた物では無い。そうなったら、デニム家の判断こそが正義になるから、今度は、追われるのは自警団にいた個人と言う事になる。見ようによっては内乱になってしまうから。

 あたしはそんなことは嫌だ。

「私はデニム家の者として、貴方達に命じます。早くお家に帰ってお仕事に戻りなさい。恐らく其れが御領主様の望みだと思いますよ」

 我ながら、良く通る声だと思う。そんなに大声を出している訳でも無いのに、かなり遠くに居る自警団にも聞こえたらしい。外側に立っている者から、少しずつ集団の中から離れて行く者が出始まった。大変良い傾向だと思う。

 元々、この自警団には集団を纏める事が出来る者が居ない。何しろ団長が、言いなりモブ顔なのだから。出も、何故前任の団長が亡くなったのだろう。不審死ではないと思いたい。なんか嫌な感じだ。

 あたしは内心、ホッとして息を吐いた。これなら、解散してくれるのも時間の問題だろう。矢張り治安を守るのには、木賃とした教育を受けた者がやらなければ駄目だと思う。かえって治安を乱す元になってしまっているのが、今の自警団だと思う。



 

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