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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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なんちゃって姫様 7

 戦の興奮で、浮き立つような雰囲気の中に、あたしはターラント男爵と連れだって、ギルドの玄関口に立った。古強者達のお陰で、自警団の若い衆の姿を見ることが出来ない。

 あたしの背が低いことが主な原因であるけれど。何だかどんどん叔父さん達の数が増えてきている。もしかして、軽く百人を超してしまっている。これだけの数がそろうと、立派な戦力になってしまう。あまり多く武装している叔父さんが、集まりすぎると私兵団の治安維持活動命令が出かねない。リントンさんは何を考えているのだろう。

 あたしみたいな、なんちゃって御嬢様を使って非常招集を掛けさせるなんて、考え無しも良いところだと思う。ここまで大事になったら、責任問題になってしまうだろう。その責任は、あたしに捕れるわけが無い。まかり間違って、武力衝突になったら困るじゃ無い。

 前世の記憶があったって、こんな事は全く経験の無いことだ。二つの武装集団の睨み合いなんか、チーム同士の諍いくらいしかリアルでは知らないし。後はニュースの中で、語られることくらいしか見たことが無い。

 だいたい転生物なら、お料理なんか為て味方を集めて行くのが基本じゃ無い。最もあたしは、前世で殆どお料理なんか為たことが無いので、こっちで父ちゃんに教えて貰った、男の料理ぐらいしか出来ないのだけれど。それ以外は、弓の腕前と読み書き計算くらいしか出来ない。考えてみると、前世の知識でチートが出来る立場でも無かった。

 正直怖い。本当のことを言うと、あたしはなりふり構わず逃げ出してしまいたい。隣に立っているターラント男爵に全て任せて、逃げ出してしまいたい。

 彼は立派な貴族の大人なのだから、この事を治めてくれれば良いのにと思う。でも、この人には其れは出来ないだろうなとも思うのだ。

 お腹が少し痛くなってきた。これだけの男達が、やる気で集まってきている。其れは衝突を覚悟しているという感じだ。中には其れを期待している者も居るみたいで、危険な香りがする。

 半年前とは違い、あたしの判断次第で、取り返しの付かない結果になる。

 マリアを助けなければ、行けないからあたしは頑張った。実際、怪我人は少し出したけれど、誰も死ななかった。実際あの手順は、あたしが考えた物だったけれど、遣るって決めたのは父ちゃんだ。

 その後の市街戦は、奥様の命令で行った物で、あたしには責任は無かった。でも、今回は責任があたしにある。勿論リントンさんにも責任があるのだけれど、助けに行くって決めたのはあたしだ。



読んでくれてありがとう。

誤字報告ありがとう。たいへんたすかっています

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