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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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なんちゃって姫様 5

 こんな時は格好いいヒーローがやって来て、さらっとまとめてくれる物じゃ無い。頼りになる大人は何処に居るのだろう。こんな大騒ぎになってしまって、あたしはどうしたら良いのか判んないよ。

 マリアがほっておけって言っていたのが、今になってよく判る。見て見ぬ振りすれば、今頃サリーに付き合って、荷馬車に乗っていたと思う。もしかすると市場で、買い食いなんか為てたかも知れない。

 只、あたしは何だか嫌な気持ちになっていたかも知れないけれど。こんなに怖い想いはしていなかったんじゃ無いかな。

 ここに居る大人達は頼りにならない。その事だけは間違いの無いことだ。何しろこんな時に、頼りになる父ちゃんは奥様の護衛に任務に就いている。あたしの一存で、小隊の兵隊さんに手助けを頼むことなんか出来ない。彼奴らは、きっと動いてくれるだろうけれど。今よりも大事になりそうな気がする。

 目の前に居る男爵様は、其れなりの権力を持っているけれど。自警団に諦めさせて、お家に帰らせることが出来ない。たとえそう言った事が出来たとしても、責任を取りたくないって顔に書いてある。

「やっぱりあたしが遣んなきゃ駄目か」

 あたしの口から、溜息が漏れる。只のメイドには出来ないけれど、伯爵令嬢マリア・ド・デニムなら、自警団の若い衆に言う事を、聞かせる事が出来るかも知れない。其れも、さくらいろのきみに・・・の方の、悪役令嬢マリアなら、自警団の連中に言うことを聞かせる事が出来るかも知れない。

「何をするつもりなんだい」

 あたしの呟きを聞きとがめた、ターラント男爵が尋ねてくる。何だかこの人の顔を見ていると、ムカムカしてくる。前から嫌いだったけれど、あたしは此奴が本当に嫌いになった。あたしを填めてくれた、リントンさんより嫌いだ。

「まず自警団の長には、あたしも会いに行く。だから、男爵様も付き合っていただきたい。そうしないと、もっと大事になってしまいかねないから」

 あたしは腹に力を入れて、男爵様にお願いしてみる。只の子供が行くよりは、交渉になるかも知れないから。それくらい遣ってくれても罰は当たらないだろう。

 それに、悪役令嬢マリアのキャラクターは、人に命令を受け入れ注せる、押しの強いキャラクターだった。嫌でも話を聞かなければいけないような人物として、設定されていた。それなら、あたしなら其れをなぞるくらいは出来るかも知れない。

 ナーラダのリコやマリアには出来なくても、何人も人を殺した事のある悪役令嬢マリアなら、自警団の若い衆ぐらい何とか出来るかも知れない。実際あのキャラクターは、取っても怖い性格を為ていたのだから。



 

読んでくれてありがとう。

誤字報告ありがとう。


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