表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

490/1221

なんちゃって姫様 2

 これだけの人達に、何かを命じることなんか出来ない。今の処、皆大人しく聞いてはくれて居るみたいだけれど。いつまで小娘の言うことを聞いてくれるか判らないじゃ無いか。こういった事は、責任の取れる人間の仕事だと思う。

 それにマリアの振りもここではしづらい。何しろこのギルドの人達は、あたしのことをよく知っている。小さな時から、このギルドにはお世話になって居るのだから。

 あたしは後ろに立っている二人に顔を向けた。ライナス・ターラント男爵とその執事さんが立っている。二人とも困惑した表情を為ている。他聞あたしも、同じ様な顔を為ているだろう。こう言う時は、立派な大人が前に立って、何とかしてくれるのが本当だと思う。子供に何かを期待してくれても困ってしまう。

 確かに、あたしが悪いとは思うのだけれど。勢いで動いた挙げ句、自警団と予備兵達のいざこざに、弱小ギルドを巻き込んだのだから……。それでもどうしたら良いか判らなかったから、兎に角ギルドの会員と家族を守るという、ギルドの建前を信じて逃げ込んだ。

 勿論、密猟者達まで、守る訳にいかないだろうけれど。その家族は守って貰っても、良いのではないのだろうか。そうしないと、なんの罪も無い人達まで、自警団の餌食に成ってしまう。

 本当は、伯爵家の領地に、前世のような警察があれば良かったのだけれど。そんな物は、今のこの国には存在しない。私兵団は存在するけれど、其れは軍隊でしか無く。犯罪を取り締まることを目的とした、組織では無い。その辺りは、賢者様と父ちゃんに聞いて知っていたから、そういった事を期待できない。

 確かに兵隊さんも、捜査することはあるのだけれど。其れはあくまでも領地に対する破壊工作を、するような人を取り締まるための物だ。実際半年前の鼠退治は、入り込んできている間者を、間引くための作戦だったらしい。

 平民の犯罪を取り締まるのは、平民を中心とした自警団の仕事だった。だから、思い込みと色々な思惑から、時には無実な人を寄って集って、私刑にすることも少なくなかった。だからあたしは動くことに為たんだ。

 やっぱりそう言うのって、何となく違う気がするから。何とか秘密裏に、逃がして上げようと思ったのだけれど。とんでもない大事になってしまった。



 


読んでくれてありがとう。

誤字報告ありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ