表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

477/1221

一寸した冒険 21

「其れは辞めた方が良いと思う。あんた、間違いなく自警団の頭目に会う前に、結構殴られると思う。頭目に会うまで、意識が持たないかも知れないよ」

 何しろ今の連中は、此れから出来る楽しい血祭りの期待で、胸を膨らましているの。かなりの興奮状態だと思うのだ。兎に角普段温厚な人でも、集団の中に入ってしまうと、危険な存在になってしまう。此れはいわば祭りなのである。

 こう言った集団の中に、話を通そうとするなら、其れなりの覚悟が必要になると思う。前世で、争い事を一人で納めたなんていう話があるけれど。その争いを収めた人は、大分尊敬されているそうだけれど。出も、尊敬されているって事は、それだけ難しいに違いない。

「兎に角皆で逃げよう。あたしが先に出てって偵察してくるから、待っててね」

「あ、ありがとう御座います。姫様、宜しくお願いします」

 ばあちゃんが、あたしの手を握って深々と頭を下げる。否定したのにまだ、このばあちゃんは姫様だって思って居るみたいだ。

 あたしに殴りかかってきた、子供がばあちゃんに、何で姫様なのって聞いていた。元々ここは、マルーン王国だったんだよ、何て言っていた。

 一寸待ってよ。あたしはそんな裏設定知らないぞ。さっきから姫様なんて呼ばれていたから、変だなとは思っていたのだけれど。知らない裏設定が多すぎやしませんか。

「あんた大丈夫なの。連中は怖いわよ」

と、マシュー君の恐らく奥さんが言ってくる。奥の方には、知らない女の人が、子供を抱きしめた。他聞きっと、オルテガ君の奥さんかな。

「それなら僕が見に行ってきますよ」

 イラス村のリオが震えながら、あたしに言ってくる。勇気は買うけれど、その有様では無理だと思う。

「あんたは皆を見ていてあげて。時間が勿体ないからさ」

 あたしは扉をそっと開けて、辺りに視線を向けた。今の処若い衆の姿は見えない。逃げ出すには今がチャンスかも知れないかな。アパートの住人が、顔を出して此方を見ている。関わり合いになりたくは無いけれど、どのようなことになるか興味はあるのだろう。

 自警団の頭がどこに居るのか解らないけれど、皆を動かしてここを包囲するのには時間が掛かるだろう。なんと言っても、あくまでも街の兄ちゃん達に過ぎないのだから、軍隊みたいな動きが出来るわけが無い。そうで無いと、あたしらに明日は無い。

 この辺りの通りは、かなり複雑で、大人数で動くのには不向きなのだ。上手く動けば逃げきれるに違いない。まして、あたしは連中の標的でも無い。出来れば、相手の動きが知りたいところだ。


 


 




読んでくれてありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ