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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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一寸した冒険 9

 いつの間にかかなりの人が集まっている。其れも殆どの人が、年寄りばかりだ。後からやってくる人の中には、手槍や古い型の皮鎧を身につけている人もちらほら見受けられる。

 あまり集まる前に、ここを出なければ身動きが出来なくなってしまいそうな気がしてくる。あたしはお爺ちゃん達をかき分けるように、走り出した。

「姫様の邪魔するな。御前ら道を空けろ」

 何処かの誰かが、叫んでいるのが聞こえる。そうすると、集まってきた人達があたしの前から離れて行く。綺麗な道が出来る。

 あたしはその中を一気に加速して、人混みのなから飛出した。この街の路地裏の全てを知っているわけでは無いけれど、三人組の住所へ向かって路地裏に飛び込んだ。他聞方公的には合っているはずで、きっと最短で着くことが出来るだろう。

 マーシャの私設保育所から離れるに従って、路地裏の様子が変わってくる。ゴミとしか思えないような物が、転がっていたり。家を無くした人が、簡単な小屋を作ったいたりする。こう言った場所は、危険ではあるけれど。目的の場所に行くのに、近道に成っている。

 あたしは内心、悪い人に出会わないように祈りながら走る。流石に、昼間から強盗みたいな真似をする、馬鹿はいないと思いたいのだけれど。此ればかりは解らない。流石のあたしも、大勢に囲まれたら如何することも出来ないのだから。

 サーコートを着た娘を、どうにか為ようとは思わないと思いたい。何よりも足止めされるのが面倒くさい。彼奴らの家族を助けるなら、少しでも時間をとられるわけにはいかないのだから。

「姫様。待って…まって」

 誰かが、あたしに声を掛けてきた。正確には、何度も声を掛けていたらしい。

 あたしが必死に走っていたから、全然気付かなかった。路地の行き止まりに成って、足を止めたら聞こえた。戻って、別の道を探さなければ行けなくなったから、気が付いたに過ぎない。

 あたしが止まったのに気付いたのか、声を掛けてきたお爺ちゃんは息も絶え絶えの状態ながら、足を速めてくる。彫り物がちら見えしているお爺ちゃんだった。

 大分足に来ているのか、ふらふらしながらも走るのを辞めない。あたしはどのみち戻らないと行けないから、お爺ちゃんに向かって駆けだした。




読んでくれてありがとう。


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