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事態は深刻 5

「あまり賛成は出来ないわね。でも、貴方が関係の無い人が、酷い目に遭うのを見ていられない気持ちも解るわ。如何するの」

 マリアが困り顔を為ながら聞いてきた。

「何時もの貴方のように、あの事件の詳細を話してくれるように命令するのよ。あたしが奥様の口調を真似ればすんなり行くんじゃないかな」

「無理だと思うわよ。本当に御母様なら、そういった事も出来るでしょうけれど。今はこの屋敷には居ないのよ」

「兎に角やらせてよ。私は黙ってみていられないわ」

 マリアが指を頬に触れながら、少し黙り込む。あまり乗り気ではない感じがする。あたしも無理筋だと思うけれど、他に良い考えが浮かんでこなかった。

「仕方ないわね。だったら、貴方はこのドレスを着なさい」

 マリアが今着ているドレスを脱ぎ始めた。今彼女が着ているのは比較的脱ぎ着が簡単な、普段着に為ているドレスだった。

「私は他のドレスに着替えるから、貴方も手伝ってね。流石にリントンは騙されてくれないと思うけれど。遣ってみて叱られたら良いわ」

 マリアはあたしに今着ていたドレスを押しつけると、収納部屋の扉を開けた。お気にの桜色のドレスを持ち出した。

「メイドの仕事を為てよね」

「はい、御嬢様」

 あたしは、マリアに言われるまま着替えの手伝いをする。この辺りは半年遣っているので、あまり頭を使わなくても身体が動く。

「いい。まずリントンを呼び出して、昨日のことを報告させる形にしなければいけないわ」

 マリアが気のせいか生き生きしてきている。悪戯を為ようとしている顔を為ている。

「こっちから行って聞こうと思ったのだけれど」

「馬鹿ね。そんなこと私はしないと思わない。呼び出して説明させるのよ」

「……。」

「良い。私は貴方の部屋で、聞き耳を立てているから。上手くいかなくても、私を恨まないでね」

 マリアの着替えが終わると、彼女はあたしの着替えを手伝ってくれる。彼女は時々、あたしに協力的になる。今日の御嬢様的にそんな気分なのだろう。

「ありがとう」

「どう致しまして。怒られても恨まないでよね」

 

 





読んでくれてくありがとう。

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