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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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汚い大人 8

「既に追っ手は派遣しています。近日中には捕らえることが出来るでしょう。家の方には居ませんでしたから、彼らは逃げたと思われます」

「怪我をしているから、動けないと思っていたのですが、そうでも無かったみたいですね。兎に角自警団が、動いています。密猟者達の家族を保護しなさい。奥様がお留守の時に、あまり流血事件を起こしたくはないのですよ。」

 そう言い置いて、ヘクター・リントンがターラント男爵の執務室を出て行った。思わずターラント男爵は、大きな溜息を付く。実際デニム家の執事がいるだけで、部屋の広さがとても狭く感じていた。

 ヘクター・リントンは、デニム家に巣くう闇を司る男だ。御領主様の意を受けて、領地内の安全を任されている男だ。半年前の不穏分子を捕らえたのも、あの男の情報網があったから出来たことだった。

 絶えず隣国の間者が入り込み、揺さぶりを掛けてくる。そういった事が、此れまでも何度となく遭ったことを、ターラント男爵は知っている。弱小なギルドの長に収まったのも、そういった事から遠のいていたかったからでもある。

 兎に角何事も穏便に事を納めていれば、やっていける立場でいたかった。何事もなく平和に生きていくことが理想であり。其れが、デニム家の黒い番犬と付き合わなければ行けないのは、勘弁して欲しかった。

 一代限りの名ばかり貴族である。其れなのに、黒い番犬が出張る様な問題に関わることになるのは、勘弁して欲しかった。

 長い時間を掛けて、この狩猟ギルドの材を吸い上げて、楽隠居をするのが目標なのだ。其れがこんな事に関わることになろうとは、思いもしなかった。

「一介のメイド風情が殺されそうになったからって、何でこんな大事になるのだ」

 ヘクター・リントンの姿が、執務室から見えなくなるのを待って、ターラント男爵は呟いた。その疑問に答えを返す者は誰も居ない。

「いったいナーラダノリコとは何者なのだ」



 

読んでくれてありがとう。

コロナに掛かりました。少し遅れるかも知れません。



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