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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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汚い大人 6

「その事に興味を持つことは良くないことですよ。貴方は彼女が報告したことに対して、真摯に仕事をすることです」

 ヘクター・リントンは、腰に下げている剣の束に手を置いて話し続ける。まるで氷のように冷たい声音だった。

「狩人達の中には、貴族の狩猟場所に入り込んでいる者が、少なくないことは解っています。其れを大目に見ていたことも承知しています。あくまでも不正を働く者の数としては、其程多くなかった。見逃してしまっていても良かったのです。……。ですが、我が家のメイドの命を狙ったことは、許すことは出来ませんね」

 ターラント男爵は、執事の皮を被った間者の頭領が、恐ろしくなった。さっきの言葉には、知られていないはずのことが入っていたからである。

 狩猟ギルドの最も大きな役割は、狩人達が貴族の決めた禁猟区を守らせることだった。自分の欲のために、野生動物を際限なく狩らないように、管理することだった。そうしないと、貴族の楽しみとなっている、狩りが出来なくなるからである。

 ターラント男爵が、このギルドを統べるようになってから、時々狩人が禁猟区に入っていっては、狩りを為ていることは薄々気付いていた。最近は、開放されている場所の、獲物の絶対数が減ってきている。何も考えることなく、獲物を捕っていれば、減ってくるのは必然だというのに。その辺りのことは考えたりしないのだ。

 物事を理解しない平民は、目の前にある利益に飛び付いてしまう。どうしたって獲物が、目の前に居れば狩らずには居られない。

 今回のような事故は、起こるべく為て起こる問題だったのかも知れない。非合法な密漁を許していたのが、間違いなのだ。

「既に追跡隊は編成しております。相手は手負いですから、捕らえることは難しくないと思われます。兎に角時間を頂きたい」

「同じ狩人を使っているのでしょう。逃がすのは論外ですよ。更に生きて連れてきてください。私も旦那様も死人には用がありませんからね。それと、密猟者達の家族も保護していただきますよ。くれぐれも、自警団には介入させないようにしてくださいね」

「保護ですか」

「そうです。保護してください。彼らには罪はありませんが、ほっておくと自警団に何をされるか解りませんからね」





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