表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

431/1224

そして次の日 11

「御嬢並びに御嬢様は、鍛錬場に行かれるんですかい」

「何時もの通り鍛錬場で、軽く汗を流すつもりだけれど」

「なら、少しばかり待っててくださいな。急いでノルマを終わらせますんで、また勝負しましょう」

 ヤンキー顔のジャックが、笑いながら言ってくる。

「野郎ども、それで良いな。おくれた奴、片付け当番な」

 そう言うと、真っ先にダッシュする。他の連中は、口々に文句をぶちまけながら、奴を追いかけ始める。

「それじゃ鍛錬場で会いましょう」

 一番最後までいた、レイが良い笑顔を浮かべて走り出した。皮鎧とは言っても、具足を着けてのダッシュである。いくら何でも無茶が過ぎる。

「無理してぶっ倒れるんじゃないよ」

 あたしは一声掛けて、マリアの方に視線を向ける。既に彼女は呼吸を整えて、立ち上がり掛けている。大変やる気満々みたいである。

 マリアは頑張って、身体を鍛える必要が無い。なんと言っても、彼女こそ伯爵令嬢なのだから。剣を持って戦うなんて事に成るなら、其れは終わりの時に違いないのだから。

 それでも、乙女ゲームさくらいろのきみに・・・のシナリオなら、悪役令嬢マリア・ド・デニムは、結構戦うシーンがあったから、身体を鍛えておいた方が、良いのかも知れないのだけれど。

 そういった荒事は、あたしが引き受けるつもりだし。もしもに備えて、逃げ出せる程度の体力を付けておいた方が良い。そう言う意味では、弓よりは体術の方を学んで欲しいと、思っている。

 そんなことを言ったのは失敗だった。マリアの奴は弓の撃ち方を習いたがった。今の処、剛弓はとてもじゃないけど引くことが出来ないから、今は短弓を撃つ練習をして満足して貰っている。

 因みに、マリアはあまり運動神経の方は良くなかった。前世の体育の授業を基準にするなら、もう少し頑張りましょうの判子を押される感じだ。

 双子なのに、こっちの方の才能は悲しいほど少なかった。令嬢としてはごく普通だとは思うけれど。今後起こるイベントのことを考えると、彼女では厳しいかも知れない。

 どのみちあたしは、彼女の影武者だし。その辺りは、カバーすれば良いかな。




読んでくれてありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ