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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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そして次の日 8

 其処まで考えて、考えすぎに気が付いた。そうなると、貴族の管理する狩猟場所を管理している人間の中に、密猟者に協力為ている何者かがいるって事になっちまう。その方が面倒なことになる。そういった事は、中身は大人な人に任せたい物である。

 だいたいこの世界は、乙女ゲームの世界なのだから、恋愛エピソードがあっても、こんな犯罪が在って良い物じゃ無い。こう言ったエピソードは、誰かと誰かが親しくなるための、フラグなんだろうけれど。此れって、いったいどういう事なのさ。

 実際、ゲームは始まっても居ないのだ。ゲームの登場人物はいるみたいだけれど。少しずつ違ってきてしまっている。

 まあ、あたしがマリアを助けたから、物語の流れが変わってしまっているのかも知れないけれど。それでも、明らかな犯罪行為が起きているのって、あんまりなんじゃ無いかな。

 だからといって、あたしは簡単に退場したくない。それじゃなんのために、前世の記憶を持って転生したのか解らないじゃ無いか。自分にたいそうな使命があるなんて思わないけれど。こうして、前世の苦い記憶を持って、生まれてきたからには、なんとしても幸せにならなければ行けない気がするのだ。

 前世では何も出来なかった、駄目な娘だけれど。少なくとも姉妹を助けて上げるくらいのことは出来るよね。

「御嬢様。そろそろ兵隊さんがやって来ますから、起き上がってくださいませ」

「リコも一緒に行きましょう。貴方だって疲れているはずよ」

「いえ。私は予定通り。弓の鍛錬に向かいますわ。其れが私の決まり事ですから」

「なら、私も行く。弓ぐらい私だって引くことだって出来るわ」

 今日のマリアは、何時もより強情だ。あたしには解らないのだけれど、何でこんなに剥きになるんだろう。

 本当は血のつながっている、姉妹だって知ったことが影響しているのだろうか。其れは微妙なお年頃だから、少しばかり変な行動をとってしまうのも、仕方が無いのかも知れない。

 あたしとは立場が違うのだから、伯爵令嬢が乱暴者の中で、弓の鍛錬をする必要は無いと思う。そんなことより、綺麗に踊れるようになった方が、御令嬢らしいと思うのだけど。





読んでくれてありがとう。


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