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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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そして次の日 7

 マリアの鍛錬は、御屋敷半周で終了した。まあ、頑張った方だと思う。鍛錬場一周するよりは、長く走った事になる。

 流石に疲れたのか、マリアはそのまま地べたに座り込んでしまった。伯爵令嬢としては、はしたない事ではあるのだけれど。そんなこと気にしてなど居られないほど疲れてしまったのだろう。

 あたしの方は、良い感じに暖まってきたのか、筋肉痛が気にならないほどには回復してきた。マリアがいなければ、彼奴らと走っても良いかもしれないくらいには、調子が良くなってきた。我ながらタフに出来ているな、と思う。

「此れから如何するの」

 座り込んだまま、マリアがそんなことを聞いてきた。少しばかり意味がわからない。何をどうするというのだろう。

「御嬢様が宜しければ、鍛錬場に行って何時ものように、剛弓の鍛錬を為てから、メイドの仕事に戻ろうかと思っています」

 実際、マリアの朝食はもう少し遅い。何時もなら、剛弓の練習を為てからで、ちょうど良い時間になるのだ。

 何しろあたしは、マリアの護衛件メイドなのである。其れなりには強くないと何も出来ないまま、殺されて終わってしまう。何でマリアが狙われるのか解らないのだけれど。実際狙われているのだから、仕方が無い。対処しなければいけないのだろう。

 あたしには、マリアが置かれている状況は解らない。きっとあたしには計り知れないような、難しい事情があるのだろう。

 だからといって、黙っていたら何をされるか解らないから、其れなりに対抗していかなければいけないのだろう。

 貴族でも無いあたしが、複雑な思惑を理解できないのは仕方が無いよね。もしかすると、しょうも無い理由なのかも知れないけれど。

 まあ、あたしには関係の無いことだけれど。出来るだけのことはしてやろうと思ったのだから、お仕事を木賃と熟すことで、あたしもマリアも幸せに成れるんじゃ無いかな。

「そうじゃ無いわ。貴方も命を狙われたのでしょう。本当なら、貴方だって身の危険を感じないと行けないわ。犯人が捕まるまで、気を付けなければいけないわ」

「大丈夫だよ。あたしは、御嬢様と違い高貴な血筋でも無いのだから。心配要らないと思うよ」





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