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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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411/1221

屋敷へ ……。4

「面白が言っているでしょう」

「勿論」

「辞めてよね」

 あたしは内心げんなりしながら、此れから戦争でも、おっぱじめ様としているかのような、野郎どもの顔を一人一人眺め回す。市街戦を想定しているのか、短弓にショーソードを装備して、皮鎧を履いている。

 門番担当の兵隊さんが、困った顔を為てあたしの方に頭を下げてくる。父ちゃんの小隊の連中は、皆やる気満々でやって来たみたいで。門番さんの常識的な指摘を、聞いてはくれなかったみたいである。

「御嬢。本当に無事で良かった」

 ジャックが、あたしの側に近付かせて大きな声で言ってくる。なんとも暑苦しい。寒いから良いのだけれど。勘弁して欲しい。

「御嬢を殺そうとしたことを、後悔させて遣りますよ。どこのどいつが其れをやって来たのか、教えてください。ボコボコにしてやります。親父さんも賛成してくれますよ」

 あまりにもヤンキー顔に似合った台詞が、あまりにも危ない感じが為た。ほっといたら、本当にやりかねない。此奴らは、若くて危険な男衆なのだ。

「今何時だと思っているのよ。皆寝ている時間なのよ。あんまり派手なことをすると、奥様達に迷惑を掛けることになるわ。今日の処は、大人しく帰りましょ」

「俺達の御嬢に、とんでもないことを為たことを後悔させておかないと、また同じ事が起こるかも知れないから、木賃とケジメを付けておかないと行けません」

 父ちゃんの小隊の中でも、真面な方に入る兵士が言った。

「大丈夫だから、ほら門を閉める時間になっても、こんな処に居たら、担当の門番さんに迷惑でしょう。帰るわよ」

「出も、御嬢」

「帰るったら帰るわよ」

 あたしは此奴らを置き去りにする勢いで、オウルに歩み出すように合図をする。取りあえずあたしが帰るなら、此奴らは付いてくる以外に出来ないのだから、言うことを聞く以外、出来ないはずなのだ。

 何しろ密猟者のことを知っているのは、あたし以外には居ないはずだから。いくら何でも、闇雲に密猟者を探すことなんか出来ないのだ。



読んでくれてありがとう。


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