表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

408/1222

屋敷へ……。

 あたし達二人は、マーシャの家から出ると、小走りに猟師ギルドの在るとおりに向かう。だいぶ遅くなってしまったから、領都の門が閉まってしまう前に、この街を出なければ行けない。そうしないと、あたしとレイで宿に一泊した挙げ句。朝帰りなんて事になってしまう。

 あたしは別に構わないのだけれど。レイの奴は皆に袋だたきに遭うことになるかも知れない。まあ、後で父ちゃんの特別訓練が施されるのは確定かな。

「御嬢。走り出すけど良いか」

と、レイが言ってくる。不審者が近付いてきているけれど、その為では無いことは明らかだった。

 そういった怪しい奴らの相手を為ていたら、間違いなく何処かの宿を探すことになる。そして、今から取れる宿は木賃宿ぐらいしか無いのだ。その部屋で、何も起こんなくても、レイは困った事になる。

「良いよ。なんか怪しい連中に目を付けられて居るみたいだし。彼奴らをボコボコにしている間に、門が閉まりそうだしね」

 あたし達が乗ってきた、馬は猟師ギルドに預けてあった。その馬を受け取って、門を出るまでに門が閉まる時間に成るかも知れない。この領都の夜の治安は、前世の街と比べることも出来ないほど悪いのだ。

 絶対に女の子が一人歩きしてはいけない。あたしがメイドになったばかりの頃、真っ先に言い聞かされた事が其れだった。最近は、暗くなってもあまり気にもしないけれど。それでもね。

 マーシャの私設保育所を出る時間が遅くなってしまった時点で、あたし一人なら彼女は泊っていくように勧めて来ただろう。今日は新兵とは言え、武装した兵隊さんが居るから、何も言ってこなかった。たとえ、あたしより弱い男の子だったとしても、傍目には頼もしく見えるのだろう。

 正直、ギルドのあるところまで行けば。だいぶ人通りもあって、治安も悪くない。定期的に、自警団の若い衆も見回りはしているから、其程危なくは無いのである。因みに、本当に危険な場所には、自警団の若い衆は近付かない。騒ぎがあっても、まずやっては来ないのだ。

 実際半年前の騒ぎの時なんかは、連中は全く出ては来なかった。奥様の名前で、禁足令が出ていたらしいから、当然と言えば当然なんだけど。

 一般市民にとって、あまり当てに為て良い連中では無い。其れこの街に住む者の、常識になって居るのだ。




 

読んでくれてありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ