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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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マーシャの私設保育所 9

 ニコニコしながら、マーシャおばさんが給仕を為てくれる。実はあたしが其れを為ようとしたら、彼女に断られてしまった。此れでも本職のメイドなのに。

 街論、奥様が食卓に着くときの給仕は任せて貰えないのだけれど。御嬢様だけの時には、任せて貰えるのに……。一応あたしはリタの保護者で、マーシャおばさんから見たら、お客様だから給仕なんかさせるわけには行かないそうだ。

 このテーブルに着いたのは、全部で六人。あたしの前にはディック少年が座っている。そして何かと狩りについて、あたしに尋ねてくる。少し顔が赤くなっているのはご愛敬かな。

 レイはディック少年の隣で、リタとなにやら内緒話を為て居るみたい。あたしの所からは丸気声だけれど。来月も来てねなんてリタが言っている。早くも、リタの奴美男子好きに成長してきているのか。普段の彼奴のことを知らないって、なん他幸せなんだろう。

 近すぎる生活を為ていると、普段のだらしないところも見ちゃうからな。いくらいい男でも、あんまり夢を見られないかも知れ無い。ジャックもレイも中身は変わらないから。まだまだ、父ちゃんには適わないと思うのだ。

 あたしの隣には、ララが子供用の椅子に座らされていた。因みにこの椅子は、あたしが提案した、チイちゃな子供が転げ落ちないように、工夫された椅子である。前世で見たことのある幼児用の椅子を絵に描いて、マーシャおばさんに見せたら、次の月には使われていた。近所に住んでいる、腕の立つ木工職人に相談したら、一晩で作ってくれたらしい。

 其れって、この家を建てた兵隊さんの誰かなのかも知れないなと思う。もしかして、この家を要塞にした張本人だったりして。

 マーシャおばさんは、ララの隣に陣取って。彼女の面倒を見ながら、全員が滞りなく食事が出来るように、気を遣っている。勿論最も面倒を見なければいけないのは、ララのことである。

 やっぱり、お女の子だから、普通に色々なことが解るようになってきた。それでも、未だ幼児には違いないから、何をするか解らない。本当に気を遣っているのが解る。




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