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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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マーシャの私設保育所 5

 マーシャの私設保育所は、まるで小さな城のような作りになっている。総二階の家は、決して大きくは無かったけれど。彼女の旦那の仲間だった男達が、どれほど大事にしていたかが解る造りになっていた。

 只ひたすら武骨で、戦城の様相を為ているのは、ご愛敬かも知れない。当時の仲間達が、砦の建築しか、経験が無かったかららしい。あたしが初めて、彼女に会ったときに話してくれたのだけれど。

 実はそう言うこともあって、彼女にリタの面倒を見て貰うことに為たのである。その時のマーシャの笑顔がとても良かった。この時あたしは、彼女のことが好きになった。だから、リタを預けることに為たのだ。

 あたしはごつい鉄で補強された、門の扉に手を掛けた。この扉は、開け方を知っていないと、開けることの出来ない仕組みになっている。実は取っ手の在る処には、この扉を開ける仕組みは無い。決められた手順で、取っ手を動かすことで、ごつい蝶番に鍵穴が現れる。それに鍵を入れることで、初めて扉が開くことが出来るようになる。

 因みに中に入ってしまうと、中からは簡単に開けることが出来るようになっている。此れ考えた奴は、ハッキリ言って病気だと思う。そのノリで、この家には良く意味のわからない、仕掛けが何カ所も付いている。

 扉を開けると、子供が遊べるように、フラットな芝が植えられている。こう言った庭なら、かなりチイチャイ子供でも、怪我無く遊べるんだろう。前世の幼稚園と違って、遊具らしい物は流石に無い。出も、遊んでいる分には気にならないかも知れない。

「今晩は。ナーラダのリコです。遅くなりました」

 あたしは少し声を大きく張り上げた。だいぶ日が落ちてきてしまっているので、鍵を持っているからと言って、気軽に顔を出してはくれないだろう。この辺りは治安が良いとは言っても、前世の日本のようには行かないのである。

 レイは黙って、あたしの顔をランタンの灯で照らしてくれる。マーシャおばさんは、普通の人なので、明るいところから暗いところを見ることが出来ない。

 マーシャおばさんは、扉ののぞき穴から、あたしを見ようとしているはずだから。あたしの顔を確認すれば、扉を開けてくれるはずなのだ。



読んでくれてありがとう。


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