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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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マーシャの私設保育所 4

 マーシャおばさんの家は、ささやかな庭のある総二階建ての立派な家である。一人で住むには大きな家だ。彼女の亡くなった旦那が、命がけで皆を逃がした。それに恩義を感じた兵士達が、寄って集って建て上げたのである。

 命の恩返しのために、マーシャの住むところを作って、その時の兵士達が周りに住み着いた。それから、この辺りは治安が良い区域になった。

 その時の兵隊の中で、多少ドロドロした噂もあったけれど、大きな問題に成らなかったらしい。綺麗な人が何時までも再婚しないで、子供を育てていたのだから、変な下心を持っている兵士達が出てしまうのは仕方が無いのかも知れない。

 それでもマーシャおばさんは、今でも再婚することも無く一人で、子供を育てている。何だか憧れてしまう格好いいおばさんだった。

 彼女に言わせれば、弟妹は一杯居た方が良いらしかったから、本当に助かっている。今では、彼女の子供はだいぶ大きくなってしまっていたから、リタにとっては良い兄貴になってくれている。

 保護者としては、リタにマーシャおばさんみたいになって欲しいなと思う。明るくて良い女性になって欲しいと思うのだ。あたしは絶対真似できないけれどね。

 マーシャおばさんの家が見えてきた。総二階建ての木製の家だ。流石に木戸で窓が閉じているけれど、その窓の隙間から中の灯りが漏れていた。ここまで近付くと、中の子供達の笑い声が聞こえてくる。お腹がすく良い匂いが、あたしの鼻腔を刺激してくれる。兎肉を焼いているのかも知れない。

 少し肉が少なかったから、鍋にして欲しかったのだけれど。鍋なら足りないって、言うことは無いから、皆が食べることが出来る。一匹じゃ足りないよね。其れは判っていたから、鳥を狙っていたのだけど、邪魔が入っちゃったし。仕方ないよね。

 焼いたのではかさが増えないから、マーシャおばさんが夜も預かっている子達が食べる分が、足りなくなってしまう。おばさんも其処の処くらいは、気が付いてくれると思ったのだけれど。仕方が無い。

 家に入ったら、即効で謝り倒そうと、あたしは心の中で決めた。他に思いつく良い対処法が見つからなかった。




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