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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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退屈な時間(ごめん執事さん)

ブックマークありがとうございます。それだけでもうれしいです。

評価ありがとうございます。

とてもうれしいです。


 デニム伯爵家のお屋敷の付いてから、まずは自室となる部屋に通された。本宅から少し離れた三階建ての別東である。その一階にあたしの部屋は用意されていた。しかも一人部屋である。この別東は使用人が住んでいる施設で、大概が二人部屋である。それだけでも破格の待遇と言える。

 父ちゃんの部屋は、兵舎の方に用意されているらしい。まだ、あたしは行かせて貰っていないので、正確な場所は解らない。執事らしい人はあまり細かいことは説明してはくれなかった。あたしは後で探索して行くことを決めた。

 ちなみに、執事さんはヘクター・リントンと名乗った。年齢は四十歳ぐらいだろうか。髪の色は灰色で瞳の色は水色。貴族っぽさが臭う気がする。

「奥様からは話を受けたまっております。今後は、私が貴族らしい立ち居振る舞いを教えて行きますので、よろしくお願いします」

 あたしは、馬鹿にされていることに気付いた。むっとして、これ以上無いという笑顔を作り、貴族令嬢らしい挨拶を見せてやる。なんて言ったかな、コーツイを遣ってみせる。

「其れはありがとうございます。私としても大変助かります」

 リントン様は大変驚かれた様子で、あたしの顔を見詰めてくる。平民が貴族式の挨拶が出来るなど、思いもよらないだろうから。ちなみにこの動作は、村の賢者様の教わった。前世のテレビでも見たことが、有ったので意外に遣るのは簡単だった。

 バレリーナの、舞台上での挨拶にこんな動作があったことを覚えている。見ているときは踊りの一部だと思っていたのだけれど、そう言う意味合いがあったことは、賢者様に教わった。教えて貰うまでは、知らなかったわ。

 それから、リントン様からは、お昼になるまでは座学。ちなみに、賢者様に教わった事ばかりで、退屈だったことは内緒です。

「奥様の話があるのだけれど、お時間をいただけないか伺ってくださいませ」

 すげー言いにくい台詞だ。あたしには大変難しい。これをずっと遣んなきゃ成らないなんて、どんな罰ゲームなんだ。

「奥様は忙しいはずで・・・。」

「今後のこともありますし、私はナーラダ村は故郷なので、一番知っております。よりしくお願いします」

 かんだ。顔が熱くなる。なれないことはするもんでは無い。ゲームのあたしすごい。

「良いでしょう。奥様に伺って差し上げましょう」

 リントン様はクスクス笑うと言った。

 ナーラダ村に行かせてもらえるように頼むんだ。あまりにもいきなりだけどね。


 

 


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