お土産はウサギ肉 8
「熟々相手はたいした腕じゃ無かったみたいだね」
レイがニッコリして、あたしに話しかけてきた。その笑顔は本心みたいに見えた。一寸だけれど、あたしのテンションが上がるのを感じる。秘密の攻略対象だけのことはある。このニッコリは破壊力半端ねー。
「そうでも無かったけどね。只、三人の内一人は何もしなかったから、助かったんだと思うわ」
本当に三人がかりで、攻められたら、流石のあたしでもどうなったか解らなかっただろう。毒矢の脅威に負けずに、戦うなんて言うことは何度も経験したい物では無い。そう言うことは、本職の兵隊の仕事だと思うの。
あたしみたいな、十三歳の女の子が遣って良いことではない。なんとしても、彼奴らは捕まえて貰いたい。実は自分のことは棚に上げているのいだけれど。マリアを助けたときに使ったことは、忘れて貰えれば嬉しいかな。
「取りあえず捕まえる算段しないとね。隊長に知られたら、そいつら間違いなく。くびり殺されること間違い為しだし。一番無難なのは、ギルドに突き出すのが良いだろうけれど」
ギルドの組合員なら、未だましなんだけれど。そうで無いと、領都の自警団が取り調べることになる。そうなると、とてつもなく信頼性に欠けるのだ。街のオッちゃん達の集まりで、治安を守っているから。操作能力なんかかけらも無い上、思い込みで事を起こす。
衛兵は居るのだけれど、彼らの守備範囲に入っていない。彼奴らが密猟者だって言うのは、あたしの勘でしか無い上。襲ってきたって言うのも、あたしの証言でしか無い。
因みに、このことを父ちゃんが知ったら、絶対に捕まえて、取り調べをする前に、縊り殺すだろう。特に街から出ていたら、森に中で獣の餌になる。
あたしがこの半年間、この街で暮らしていて、前世と違うことに気が付いたことの一つが、決して治安が良くないって事だ。そして、警察官的なことを為ているのが、衛兵と自警団なんだけど。衛兵の仕事は、平民の治安を守っているわけじゃ無い。基本的には監視が主だったりする。
自警団は、平民が自分の身は自分で守る為に組織されている。だから平民の犯罪者は、自警団が取り締まるのだけど。決して優秀では無かった。恣意的な捜査と、思い込みが目立っているから。うっかりすると冤罪がとても多くなっている。炎上案件になることが多いのだ。
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