表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

374/1221

お土産はウサギ肉 5

「御嬢。随分派手にやりましたね」

 兜を被り直した、レイがあたしに言ってくる。心底呆れ返った顔を為ている。

「仕方ないじゃ無い。こっちだって好きで、遭遇戦遣ったわけじゃないわよ」

 出来るならあたしだって、命の遣り取りなんか遣りたくもない。あたしに気付いたら隠れるなり逃げ出すなり為てくれれば、見て見ぬ振りぐらい為て遣ったかも知れないのに。いきなり殺しに来るから、仕方なく反撃する羽目になってしまった。

 レイは身をかがめて、戦闘の後を丹念に調べだした。矢は殆ど回収されており。残されているのは、矢の跡が残る木の幹だけだ。

 矢だって只じゃ無いから、時間があれば回収するよね。奴ら、あたしの矢も持って行きやがった。それでも、無駄に為たのは三本だけだから良いけどね。

「後始末が上手いな。ほんとに猟師なのか疑わしいような気がするな」

 レイがお喋り野郎が、倒れていたところを調べながら呟いていた。

「どういう事よ」

「んー。御嬢にやっつけられていたなら、かなり取り乱しているはずだから。必ず何か痕跡になりそうな物を落としているはずなのに、何も残っていないようだから、こういった事になれている人間なのかなと思ってね」

 レイは真顔で言ってのけた。

「でも、あの時の三人組は、あんまり慣れているようには見えなかったけれどね。小悪党だったから、あたしが助かったんだと思うよ」

 普通にあんな事が出来る連中なら、もう少しあたしは苦戦したと思う。やっぱり一対三のハンデ戦だから、ちゃんとした戦士が相手なら、逃げ切れる訳がない。

「そりゃあ御嬢から見たら、どんな相手でも素人に見えるでしょうよ」

 そんなことを言いながら、レイが彼奴らの矢の後のある幹をショートソードで切り落とそうとしている。其れ無理だから。其れが出来るのは、いわゆる達人だけだから。

 あたしの腰につり下げてあった、鉈をレイに渡した。ショートソードで遣るよりは、鉈を使った方が楽に幹を落とせる。うっかりすると、支給品である剣を駄目に為てしまうのが落ちだ。

 支給品とはいえ、決して安い物では無いのだ。大事に扱った方が良いと思う。







 


読んでくれてありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ