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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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お土産はウサギ肉 2

 あたしは下草が生い茂っている場所に、身を潜めて少しばかり考える。既にあの三人は、何処かに逃げ出してしまっているだろう。今からでは、追ったところで捕まえることは出来ない。

 領都に荷物を取りに帰っているなら、辛うじて捕らえることが出来るだろうけれど。その可能性はかなり少ない。だって、あたしなら側逃げを選択するから。

 領主の管理している狩猟場所で、密漁を為ていたことがばれれば。かなりうっとうしいことに成る。流石に命までは取られないけれど、このあたりでは仕事が出来なくなる。

 あたしに対して、殺しに掛かってきたのは失敗だったと思う。まああたしが無傷だから、命を取られるまでは行かないかも知れないけれど。決して軽い罪とはならないだろう。

 其れよりも、父ちゃんが知ったらただでは済まない。暫くの間、生きた心地が為ないような思いをすることになる。衛視隊に捕らえられた方がましかも知れない。

「ま。彼奴らは逃げてるよね」

 あたしは言葉を漏らすと、隠れているところから身を起こした。いくらあたしが背が低くても、あのぼんくら二人から見えるだろう。

「こんちは」

と、あたしは声を掛けた。

「あ、御嬢。何隠れているんです」

 レイが何処かの二枚め俳優みたいな笑みを、浮かべて言ってきた。さすがは攻略対照的美少年。もっとも、この辺りには見られない容姿のせいで、あたしには美形に見えてるだけかも知れないのだけれど。少なくとも、隣に立っているヤンキー顔よりはいい男だろう。

 あたしは周囲に視線を走らせると、少なくとも此方に対して殺意を持った人間がいないことを確認する。兎に角毒矢持ちの犯罪者がいたのは確かなのだから、慎重に行動する方が良いだろう。

 もっとも、あの程度の小物が私兵が要るところで、あたしに矢を射かけてくることは無いだろうけどね。

 此奴らに殺されるのは確実だと思う。普段は適当に生きている連中だけど、其れなりに戦うことが出来るように訓練されているのだから。

「で、戦火はいかほどでした」

と、ジャックが尋ねてくる。その顔には獲物なしだったんじゃ無いですかと書いてあった。

「取りあえずウサギは確保したわ。それと、一寸邪魔が入ってね。鳥は無理だったわね」

 あたしは腰に下げている獲物袋を持ち上げてみせる。だいぶ時間が経ってしまったのだけれど、未だ悪く成っていないだろう。

「じゃまって」

「たぶん奴らは、密猟者だと思うわ。いきなり矢を射かけてきたから」

 あたしは何でも無いことのように、彼奴らのことを話した。どのみち、ギルドには報告しないわけに行かないのだから、話しておいた方が良いだろう。




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