表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

368/1221

散々な休日 9

 本街道を走ること二十分。

 あたしは何時も使っている裏道への分岐点に着いた。ここから、馬の足で十五分もはいったと頃に、オウルが何事も無ければ待っているはずだ。ここまで走りながら、腰に下げている矢筒が邪魔になってきた。何しろ彼奴らに遭ってから、ほぼ全力疾走だったから。流石に疲れてきた。

 正直命がけだったから、なりふり構わないで走りまくった結果。水袋の中に入れておいた、水も水で薄めたワインも飲んでしまった。因みに、僅かにワインの味が解る程度の極薄である。こんな事にあら、塩水でも用意してくれば良かった。

 あたしは喉が渇いてきて、身体に嫌な疲労感が堪ってくる。荷馬車のオッちゃんに助けを求めないで走り出してしまったことを後悔し始めている。正直しんどい。

 そういえば、未だ昼飯を食っていなかった。走るながら、食えるのは干し肉だけで、パンは水が無ければとてもじゃないけれど、堅くてふやかさなければ、食えた物では無い。前世に良く買い食いしていた、菓子パンが懐かしい。

 兎に角この食糧事情は何とかして欲しい。菓子パンを用意しろとは言わないから、普通に食べて美味しいパンが食いたい。

 貴族階級の者でも、外で食べるためには出来るだけ水分を飛ばした、堅いパンなのだから、仕方が無いのだけれど。何処かにパン作りの知識を持った、転生者はおらんのだろうか。あたしは、あんまり前世では女子力の有る方では無かったので。そういった事は得意じゃ無いのだ。

 そんなことを考えながら、走ること十分。

 あたしは、足を止めて身を低くして、下草の影に隠れるようにした。流石に息が苦しい。此れからは気を付けて進まなければならない。

 まだ、オウルの場所まではかなり離れているのだけれど。迂闊に進んで、奴らとまた出くわしたくは無い。

 恐らくはいないと思うのだけれど。絶対に居ないとはいいきれない。

 あたし的には、殺し合いはお腹いっぱいで。それよりは、旨い物が食べたいのだ。

 奴らがいたなら、そっと回れ右して、今度こそ荷馬車のオッちゃんに助けを求めて、領都に帰る。その場合は、オウルが捕まっていたら、残念だけど諦める。オウルが居なければ、どのみち小隊の連中がやってくるから、其れを待っていても良いかもしれない。その場合には、お説教を覚悟しよう。





読んでくれてありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ