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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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散々な休日 4

 中肉中背の矢の残りは二本。昨期ちらっと見た限りだと、矢筒に入っているのはそれだけだった。他には、あたしが持っているタイプの小刀が下げられている。

 現在治療中の、マシュー君は矢筒に五本くらい矢が残っている。彼の弓の腕を考えると、お喋り野郎に渡すだろう。早いところ中肉中背をやっつけなければ、あたしが殺される。ここに援軍は期待できない。誰か連れてくれば良かったのかも知れないけれど、一人で獲物を捕ってリタに持って行きたかったのだから、仕方が無い。

 兎に角奴らは、あたしのことを子供だと侮ってくれていたから、攻めが緩かったのだろう。でも、流石にこうなったら真剣に向かってくるだろう。捕まえてしまえば、どうとでも出来ることは解りそうな物だけれど、簡単に近づけさせるつもりも無いのだ。こっちには九本の矢が、未だ残っている。

 命中精度だって、馬鹿に出来ない代物だ。毒こそ塗っては居ないから、急所に当らなければ死んだりしない。だから、奴らには余裕があるんだ。此れが、あたしの父ちゃん相手と成ったら、死にものぐるいで来るだろうな。舐められているんだ。

 治療中のマシューを撃っちゃえよって、あたしの中に沸き上がってきてはいるんだ。彼の大男は、此方を気にしている風でも無く。お喋り野郎の治療に専念している。今なら簡単に斃せる。

 あたしは、木の陰を利用して、中肉中背から上手く身を隠しながら、マシューの背中を狙う仕草をした。案の定、中肉中背君はなけなしの矢を放ってくる。勿論其れは、あたしが隠れている木の枝に刺さっただけだ。

 彼奴らは、仲間のことは大事にするらしい。あたしの動きを牽制するためだけの一発だ。注文道理の一発ありがとう。

 あたしは、横に飛び退くことで、視界を確保する。中肉中背君はまる見えに成った。そして、矢を番えるのには少しばかり時間が掛かる。

 あたしは気合いを入れて、矢を放った。今度ばかりは腹に向けての一発である。これ以上手加減していると、あたしが殺されるかも知れない。それに、マシュー君は簡単な治療の知識があるみたいだから、死なないように治療してくれるかも知れない。出来れば人殺しには成りたくないなぁ。

 マシュー君頑張ってね。



読んでくれてありがとう。


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