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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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久しぶりの休日 7

 領都を出て、約一時間半ほどオウルを走らせた頃、昨夜のうちに仕掛けを施した場所の側まで来た。この道はあまり使われていないので、整備されていない。実際本街道から外れること三十分くらい細いくねくねした道行きで有る。こういった細い道は至る所に有った。

 地図も無いなかで、こういった道は知っていなければ、遭難の危険が有る。暗い森の中は、どのような化け物が巣くっているか解らないのだから。かく言うあたしも、化け物の仲間かも知れないのだけれど。それでも、このあたりは比較的安全な場所で。少なくとも狩猟ギルドの会員なら、酷い怪我でもしなければ遭難することは無い。ここから、西へ一キロくらい行ったところが、デニム家が管理している狩猟場所だから、其処まで出られれば、定期的に見回りしている管理人に発見して貰える。

 その上、このあたりには危険な大型野獣は催促していなかったはずで、一番の脅威は、野生化した犬か狼の類いだろうか。これだけ生い茂った森の中なら、あのての動物と出遭うことは希だろう。少なくともあたしは、出くわしたことは無い。そういえば、狐には遭ったが有ったかな。大変美味しく頂きました。その時は父ちゃん居たしね。

 ただ、野生動物を頂くときには気を付けなければ行けないのは、木賃と処理しないと、悪い病気に感染しかねないって事かな。あと、処理をした内蔵なんかは、綺麗に片付けなければ行けない。其れが、狩人の最低限のマナーだ。

 オウルを手頃な木の枝につなぐ。この子は、こんな事をしなくても、賢いから待っていてくれるのだけれど。一応、ここに居て欲しいという意思表示のためにやる儀式だ。あたしが軽くなでてやると、オウルは下草を食みだした。

「さてと、ウサギちゃんは取れているかな」

 ここからは、猟師としての作法に則って、今の装備を簡単に点検する。此れもまた、生き抜くために父ちゃんに仕込まれた事だ。此れをいい加減にすると、後で泣きを見ることになる。

 腰に下げた、矢筒には矢が十本。どの鏃も、あたし自ら樋で有るから、切れ味抜群。出来れば雉あたりが、取れると良いなと思っている。他には、獲物を処理するための小刀と小ぶりの鉈。

 背負い袋の中には、簡単な着替えと。水袋が二つ、この中には強い酒と水が入れてある。酒は飲むためでは無いからね。お昼のための簡単なお弁当が入れてある。

 今日は毒袋は持ってこなかった。このあたりには、大型の動物は居なかったはずで、毒を使う必要は無いだろう。


 



読んでくれてありがとう。


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