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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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デニムの娘(仮)10

 何だかあたしは母ちゃんのことを思い出した。何時もニコニコしていた母ちゃん。父ちゃんを尻に敷いていた。力では勝てなかったはずだけど、父ちゃんが惚れていたからね。必殺技は泣き真似だったかな。

 あたしの記憶が、ナーラダのリコの中に蘇ったのはちょうど母ちゃんが亡くなった時だから、あたしの記憶なのかオリジナルの記憶なのか見分けが付かないのだけれど。母ちゃんの顔を思い出す。茶目っ気のある、気持ちの真っ直ぐな人だった。

 たぶん奥様は、説得のしかたを間違えたのだろう。母ちゃんのように泣き真似でもしてみせれば、少しは違ったかも知れない。もっとも、あたしを引き取る話なら、絶対に首を縦には振らないだろうし。父ちゃんが納得しても、あたしは言うことを聞かないだろうけどね。

「もしかして、父ちゃんの顔をボコボコにしたのは奥様なんですか」

 あたしは思わず尋ねてしまう。父ちゃんを良くあれだけボコに出来た。奥様が其れなりに強いことは知ってたけれど、あれだけ容赦なく顔を殴れる人だとは思わなかった。

「一寸本気になってしまいました。此方も腕の関節を、痛めつけられたのだから、おあいこですわ」

 あたしの中で、奥様に対する認識が崩壊してゆく。育ちの良い、御貴族様だと思っていたら、でかい熊みたいな戦士の顔をボコボコにする人妻がここに居る。ああ見えて、父ちゃんはデニム家の私兵団の中で、かなり強かったはずで、鍛錬中にあんなに殴られるところを見たことがない。相手を捕まえることが出来れば、瞬殺してしまうから。抵抗できないのだ。

 奥様は既に父ちゃんを説得しようとしていた。其れも肉体言語で屈服させようとしたんだ。もしかして、アリス・ド・デニム伯爵夫人は脳筋の人だったのか。確かに、闇の軍団と一緒に戦う姿は、戦士っぽかったけど。指揮官として、あの前線に出来ただけと思っ手た。

 女傑とかマルーンの虎ってマジだったんだ。真逆、戦場に出て戦ったりしていないよね。スチールの意味が違ってしまう。

 あのスチールは、城を取り囲まれて仕方なく、武装して指揮の真似事をしていたと思っていたけれど。マジで戦う指揮官だったのね。





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