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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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デニムの娘(仮)9

 結局父ちゃんは、呼ばれていなかった。父ちゃんの意見は、決まっているんだけどね。

 父ちゃんが来て、拗れると厄介なことに成るって想っているみたい。あれで、話がわかるキャラクターだと思うのだけど。奥様とヘクター・リントンさんは、そうは思っていないみたいだ。

「貴方は私の子供なのよ。下らない因習のために、御父様が貴方を捨てさせた。私は其れを止められなかった。今、私は貴方を取り戻したく思っています」

 奥様は真剣に、あたしの瞳を覗き込みながら言ってくる。彼女の顔は、何処か引きつって見える。いつになく緊張して居るみたい。奥様らしくない顔つきをしている。

「あの時奥様は、産後の肥立ちが悪く、しばらく床から出ることが出来なかったのです。だから、あの時に先代様を止めることが出来なかった。その時の旦那様も、先代様の意見を聞いてしまったのです」

 サンドラさんが、泣きながらあたしに話しかけてくる。何時もの彼女では無い気がする。普段の厳しいメイド長の顔じゃ無い。後で聞いた話だけれど、生まれたばかりのあたしの面倒を見ていたのは彼女だったらしい。つまり、彼女があたしの乳母だった。うわー……。エリスがあたしの姉妹って訳ね。

 短い間だけでも、サンドラさんにおっぱい貰っていたんだ。だから、サンドラさんショック受けちゃったのね。

「奥様は、このことを話すのはもう少し大きくなってからする積リでした。未だ貴方は幼い。このことを理解できないかも知れないと思ったのです」

と、リントンさんが言った。そして、奥様の方を向いて言葉を続ける。

「奥様。リコ嬢は、見た目より幼くは無いです。だから、自分の意見を聞いた方が宜しいかと思われます。でないと彼奴がきっと暴れますよ。因みに私は本気で暴れる奴を止められません」

「その事は、私の腕が一番知っておりますわよ。あれで、だいぶ手加減されていた」

 奥様が自分の左腕をそっと触れて、リントンさんに応える。

「御母様、ハーケンが何かしたの」

 マリアが心配そうに尋ねた。

「一寸昔のように、説得しようとしたの。力関係が変わっていなかっただけなのよ」

と、言ってマリアに微笑みかける。







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