表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

313/1221

此れからのこと 11

「貴方はあの時の事情を知っているのかしら。ハーケンはあのことを話したのかしら」

と、奥様が尋ねてくる。本当なら、こんな話はしたくないのだけれど。何しろ、ここのは子供が居るのかだから。

 あたしはそんなことを考えながら、新たに配膳された肉料理にナイフを入れた。朝から此れってすごくない。料理人達は、何時頃から仕事を遣っていたのだろう。なんか体格の良いオッちゃん達が気の毒になった。其れも仕事だから仕方が無いけれど。後で労いに行ってあげようかな。何時も世話になっている人だしね。

「解っておりますわ。昨夜、父ちゃんに教えていただきました」

「ねえ。どういう事なの。それに、貴方なんか気持ち悪いわよ。まるで何処かの御令嬢みたいだわ。其れと父ちゃんでは無く、御父様では無くて」

 マリアがあたしの方を眺めて、小さい声で尋ねてくる。本人は内緒話の積リみたいだけれど。全く内緒話になっていない。君幼すぎないかい。

「申し訳ありません。なるべく丁寧な言葉遣いを心がけております。今の私にはこれが精一杯です」

 正直食べてる朝食の味が解らない。たぶん旨いのだろうけれど。だいぶ辛くなってきた。なんか、圧迫面接って言う単語があたしの頭に浮かんでは消える。

「私と血がつながっている親が、お二人だと言う事は父ちゃんに伺いました。でも、私にとっての親は父ちゃんと母ちゃんです。だから、血がつながっているからと言って、いきなり親だとは思えないのです。だから、今まで道理の関係を続けたいと思います」

「……」

「君は大変賢いな。君の考えに賛成するとも。実際厳しいから、僕は引き取ることに反対していたからね。此れで、アリスも納得することが出来たかな」

 実にいい笑顔で、デイモン・デニム伯爵が言った。何だか小物臭のする人だな。残念美男子。

 やっぱりこの人の子供だなんて思いたくないな。色々裏設定を知ってるあたし的には、出来ればこの人の子供には成りたくない。だって、この男は下げ○確定だし。何だか地が出てきちまったな。

 まあ口に出さなければ良いか。なんちゃって令嬢モードは疲れるなぁ。この圧迫面接終わんないかな。今まで通り雇用関係で十分だと思う。

 そんなことを口に出すわけにはいかないけれど。死んでも良いって、森に捨ててくれたんだよ。今更親子関係に戻りたいって言われてもね。

 事情は判るから、奥様のことは気の毒だと思うけど。捨てられた側としては、簡単に水に流すことは出来ないかな。




 

読んでくれてありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ