表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

312/1221

此れからのこと 10

 少なくとも伯爵は、あたしを養女に迎えたいとは思っていないみたいだ。あたし的には有難いかな。この人の思惑に乗せられて、悪役令嬢マリアは間違ったことをし続けた。自分の恋処か、多くの人間を巻き添えにして、破滅してしまった。

 自分の大事な故郷を潰されるだけでは無く。隣の大国の侵略を許すきっかけを作ってしまう。乙女ゲーム桜色の君に・・・の後半は、ヒロインちゃんと心を一緒にした、攻略対象達の逃避行や戦いが描かれているのだけれど。どれをとっても、間違いなく国は無くなってしまっていた。

 ヒロインちゃんにとっては、其れなりにハッピーなエンディングだけれど。他の人間にとっては、決して良い物では無かった。後半は復興の物語だけれど。其れまでが悲惨すぎる。

 ようやくマリアがサラダに手を付け始めた。目の前の旦那様の仕草を見て真似することにしたのだろう。王都風はこのあたりの貴族のマナーより難しくなっている。普段はこんなにカトラリーを並べて食事をしないのだ。なんだかんだ言っても、ここは田舎だし。

 この食器の類いは、もしかすると旦那様が持ち込んできたのかも知れない。あたしは、後でサンドラさんの聞いてみることにする。

 あたしはハブられていたから解らなかったけれど。きっと使用人達を困らせたんだろうな。もっとも、こういった流行はいずれここまで、浸透してくる物だから、遅かれ早かれやってくる事だけれど。ただ不思議なのは、こういったマナーが前世に遵守していた。

 あたし的には、簡単で良かったのだけれど。学のない不良でも、何となく解ることだったからね。それに、目の前の奥様も解っていたみたいで、ゆっくりと見せてくれたしね。ただ、奥様は何処か左腕を痛めているみたいで、カトラリーを使いずらそうにしていた。それに、湿布薬の臭いがしている。怪我をしているのかな。

「何を言われているのか判りませんけれど。私はハーケンの娘ですから。勿論デニム家の者になりたいとは思っておりません。私はあくまでも村娘です。ただ、このまま暫くはお勤めさせていただければ、有難く思いますわ」

「それで宜しいの」

 奥様が尋ねてきた。少し厳しい表情。

「ええ。このままで」



読んでくれてありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ