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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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此れからのこと 7

ブックマークありがとう。


 デニム伯爵の側使いが、ワゴンの上に前菜となる料理を運んでくる。今日は彼が給仕をするらしい。前菜は葉物野菜のサラダだった。春先に手に入りにくい葉物野菜を用意するだけで、かなりの金貨を使ったのが解る。因みに昨日のメニューは日持ちの良い物だった。貴族だからといって、何時も贅沢できないのだ。貴重な春野菜ではあるけれど、まだ大きく育っていないようで、可愛らしい物だった。

 今回は、デニム伯爵が相当無理を言ったに違いない。後で料理人に聞きに行こうかとあたしは思う。何しろハウス栽培を遣っていないから、春野菜とは言ってもまだ少しばかり早い。もう少し暖かくなってからなら、立派な春野菜が取れる。

 確かこの側使いは確かフイル・バーグとか言っただろうか。黒髪に黒い瞳をしている物の、肌はとても白い。もしかすると、おしろいを使っているのかも知れない。側に寄ってくると、香水の香りがほんのりとしてくる。

 苦労している割には、身の回りに不思議な色気を振りまいている。此れで側使いが勤まるのだろうか。少なくとも、あたしより身ぎれいにしている。同じ使用人でもこんなに違う。負けるもんか。

 最近の王都で、流行っている食事の仕方らしい。あたしにとっては、それほど難しいマナーでは無いけれど。普通の村娘には、泣いちゃうレベルでは無かろうか。だって、このあたりの人間は貴族ですら、これだけカトラリーを使う食事をしたりしないのだ。

 だって、下級貴族なんかは未だに、手づかみで食べる人が居るのだから。こんなにカトラリーを置かれたら、立ち往生するんじゃ無いかな。あたしは、こう見えても知れなりにマナーは身につけている。王都風の所持の仕方は、賢者様も教えてはくれなかったけれど。この並びを見れば、どう食べたら良いか予想が付く。

 ファミリーレストランより、格式の良いレストランでの食事の仕方を遣れば問題が無いだろう。それに、目の前には奥様も居るしね。問題なし。

 此れって、デニム伯爵の意地悪なんじゃ無いかな。そんなことを考えながら、何となく旦那様の側使いフイルの手元を見ていると、一寸特徴の有る、手にたこがある。其れなりに戦う人なのかも知れない。

 随分剣を振っているのだろう。この人はただの側使いでは無いのだろう。護衛も兼ねているのかも知れない。何となく、ヘクター・リントンおじさんみたいな立場なのかも知れないと、あたしは思った。

 

 


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