兵隊さん達との遊び 9
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夜のお仕事中の執事ヘクター・リントン様か、騎士ジャスミン・ダーリン様くらいだ。今は昼間なので、リントン様は昼間のお仕事中だから、お忙しくてそんな事出来ないだろう。ダーリン様は確か今は留守にしていたはずである。
だから、あたしの知らない強い人が居るって事だ。誰が父ちゃんを殴ったのか知りたくなった。相手が誰だろうと、黙って殴られてやる性格ではない。今頃はボコボコに為れているはずだ。
「父ちゃん」
あたしは声を掛けながら、兵隊式の敬礼を遣ってみせる。ここでは、御令嬢のコーツイより兵隊式の挨拶の方が喜ばれる。最も御令嬢だと思われていないせいかもしれ無けれど。
「……」
あたしの顔を見て、父ちゃんの顔が歪んだような気がした。何かあたしに内緒にしたい事がある顔だ。
「その顔どうしたの?」
「一寸ばかり馬鹿でかい猫にはたかれた。聞くなよ恥ずかしい」
父ちゃんは苦笑いを浮かべて言った。
「えー。隊長を叩くようなお姉さんがこのあたりに居ましたっけ。しかもこんな短い間に、そんなお姉さんが居るんなら紹介してくださいよ」
ヤンキー顔のジャックが、とうちゃんの珍しい軽口に乗っかってくる。猫って言うのが、兵隊さん相手の娼婦の事だと思ったのだろう。何時もの軽口であるのだけれど。あたしの前で言うのは不味いのではなかろうか。
「紹介して遣っても良いが。泣きを見る事になるぞ」
父ちゃんは流すことにしたようである。あまり詳しく話したくはないのだろう。
今のあたしは見た目は、13歳の女の子なので猫が娼婦をイメージさせるとは知らない事に成っているのだ。少なくとも父ちゃんの前ではそんな事も知らない娘という設定を、守っているあたしだった。
因みに父ちゃんには内緒だけれど、兵隊さんの話題の大半は、下ネタが殆どである。あたしは、お嬢様が知っているはずのない言葉を一杯知っている。
所詮若い野郎視界無い場所にいれば、下世話な話題になるのは仕方ないと、あたしは思っている。皆元気な脳筋ばかりなのだら。
読んでくれてありがとう。




