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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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温かいスープ

読んでくれてありがとうです。

 嵐の轟音があたりを支配している。滝の音のような雨音と、とてつもない強風で、建物が揺れているように感じる。

 ナーラダ村は大丈夫だろうか、あたしの脳裏にふとそんな考えが浮かぶ。あの村の上流に当たる堤防は、かなり痛んでいたはずで、これだけの水量に、耐えられるかどうか解らない。

 ただ、あたしに言えることは、もし堤防が決壊したら、収穫間近の麦畑はかなりの被害を受ける。それだけで済めば良いけれど、運河沿いの建物にも被害が出るかも知れない。

 あたしは賢者様が、いち早くみんなを避難させてくれることを祈るしか無かった。心配しても仕方が無いことは解っているけど、思ってしまうのは仕方が無いでしょう。

 きゅるる。

 あたしのお腹の虫が成っている。色々心配していても、お腹は空くのだ。さっきまで考え事をしながらも、熱いお湯を貰って身を清め終われば、今度は食事を取りたくも成る。

 父ちゃんは、あたしが身を清めている間に、下の食堂に行ってくれている。この部屋を開けるわけにはいかないので、交代で食事をすることにしたのである。うっかり部屋を開けると、でかいネズミが入ってきたりするから、気を付けなければならない。

 軽いノックの音。父ちゃんの合図である。

「裸じゃ無いか」

 最近のあたしは、父ちゃんに裸を見られるには恥ずかしくなってきた。身体を清めている時に、ノックもせずに扉を開いたので、三日間喋ってやらなかったら、必ずノックをするようになった。

「大丈夫」

 扉が開き、父ちゃんが顔を出した。顔が少し赤い、酒を飲んできたらしい。湯気を上げている桶を両手で持っている。

 あたしが下で、食事を取っている間に身体を拭くつもりなのだ。あたしは大変良い傾向だと思う。清潔は大事だと思う。

「じゃ交代」

 とにかく温かいスープと、出来れば柔らかいパンにありつきたい物である。ベーコンでもスープに入っていれば最高かも知れない。


 

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