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山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


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兵隊さん達との遊び 2

「一寸ね。嫌な事があったんだ」

 あたしは自分専用の弓を、取るために射的場側の小屋に向かいながら、おきにに答える。其れなりにいい男なのに、今日の笑顔は残念な感じがする。

 確か十六歳だったはずだから、まごうこと無き新兵で。給料は寄宿舎に住んでいるから、何とかやっていける程度なのに。あたしの良い鴨である。

 因みに彼は、ゲームのスチルに出演している。悪役令嬢為ていたあたしの、護衛を為ていた美形男子で、攻略対象の一人である。因みにタイプで無かったので、彼を攻略して居ない。だって、悪役令嬢マリア・ド・デニム伯爵令嬢の邪魔が五月蠅かったんだもん。しかもシークレット攻略対象。難易度高すぎ。しかも、ゲーム後半には悪役令嬢マリア・ド・デニム伯爵令嬢を庇って死ぬ運命が待っている。

 死ぬ前に、ヒロインちゃんが攻略しないと、必ず悪役令嬢マリア・ド・デニム伯爵令嬢を庇って、毒矢を受けて死んじまう。それからは、どんどん状況が悪くなる一方だった事を、あたしは覚えている。

 思えば、その頃から悪役令嬢マリア・ド・デニム伯爵令嬢の遣りようが酷くなった。もしかすると、彼女は自暴自棄になっていたのかも知れない。今のあたしには解らない事だけれど。

「父ちゃんは何処かに行ってるの」

「隊長は奥様と話を為ていますよ」

「ふーん。じゃあ弓で遊びながら待って様かな」

 奥様のお話は何となく想像する事が出来る。奥様にあたしの事を問い詰められているんだろう。父ちゃんは決して、あたしのことを認めないと思う。

 父ちゃんは、認めたら奥様に取られると思っているからね。絶対に、捨子だった事は言わないだろう。だって惚れていた母ちゃんに対して、嘘を突き通した人だしね。

 心が壊れちゃった母ちゃんに対して、あたしが奇跡的に助かった赤ちゃんだって説明していた。だから、決して認めないだろう。

「御嬢。じゃあまた掛けないか。今度こそ泣かしてやるよ」

と、鴨が言ってきた。

「ありがと。また貢いでくれるのね。嬉し追いなー」

 あたしは笑いながら答える。




読んでくれてありがとう。


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