表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山猫は月夜に笑う 呪われた双子の悪役令嬢に転生しちゃったよ  作者: あの1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

270/1219

奥様のストレス発散 4

 隣国の首脳陣は、頭が膿んでしまっているのではないかと思う。半年前の一件でかなりの損失を出して居るはずで、いい加減に諦めてくれれば助かるのにと、アリスは心の底から思っている。

 きちんと条約を結んで、此方にちょっかいを出すのを辞めて欲しい。そうしてくれれば、兵力を整えるために使われている財源を、他に割り振る事が出来る。現在の戦力は千人の兵士を抱えている。予備兵を含めれば一万と言った戦力となるのだけれど。所領から上がってくる、税収の規模の事を考えると少しばかり大きすぎる。

 幸いにも借金を為なくても、何とか伯爵としての体面を保つ事が出来ているけれど。其れも飢饉でも起これば判らなくなってしまう。本当は、夫にも協力して欲しい処なのだけれど。あの人だと、下手な事を遣らせると、ろくな事になら無いような気がするので。熟々彼を素敵だと思った自分が情けない。当時は子供だったのだから仕方が無いのだけれど。御父様が、ちゃんと調べていてくれれば、今になってこんな情けない思いを、為なくて済んだかも知れない。

 今なら、絶対に願い下げだ。その人となりが解ってから、結婚できれば良かったのだけれど。女のみには、相手を決める権限が無い。そういった自由意志は、貴族の身には認められていないのである。

 そして、結婚してから性格が変わってしまえば、どうする事も出来ない。籍を入れてしまえば、簡単には抜く事の出来ない法律が存在している以上。アリス・ド・デニム伯爵夫人は我慢し続けるしか道は無かった。

 そういった事で、貴族の夫婦の中には、お互いに別の相手を作って、冷え切った関係を続ける者も少なくは無い。でも、何故かアリス・ド・デニム伯爵夫人は珍しく、情夫を作らずに過ごしている女性である。貞淑な妻というわけでは無い。何しろ、彼女は既に夫に対する愛情は枯れ果てている。彼が、どこぞで野垂れ死にしたと聞いても、眉一つ動かさないだろう。

 今はそんなことより、娘の事が大事だった。なんと言っても、命がけで産み落とした子供達なのだ。その大事な子供達が、彼女の手の届く処に生きて存在している。

 とても嬉しい事ではあったのだけれど。今回夫が、本人にばらしてしまったから、此れからどうなるか解らなくな成ってしまったのだ。





読んでくれてありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ